CSR

持続可能な社会の実現に向けてCSRへの取り組み
労働慣行安全で安心な職場づくりを目指して
危険性・有害性を見抜く力の強化
当社には、錢高組の作業所で働く全ての方の命を守る責任があります。「錢高組は、安全に対して非常に厳しいが、錢高組の作業所で働いていれば安全に関して心配はない」と全ての方に感じてもらえることを目指し、これからも安全管理を実行してまいります。
建設現場は、刻一刻と姿を変えます。それに伴い、作業所に潜む危険性・有害性も刻一刻と変化します。そのため、どこに危険性・有害性が潜んでいるのかを瞬時に「見抜く力」が必要になります。計画段階、作業間調整のミーティング時、朝礼時、作業所巡視時に常に危険性・有害性がどこにあるかを調査し、考え、点検してこそ「見抜く力」を養うことになります。
2022年度は、「見て見ぬふりが事故のもと 妥協するな! ルール違反は即是正」を安全衛生標語とし、作業所に潜む危険性・有害性の芽を一つひとつ確実に摘み、「錢高組の作業所で働いていれば安全に関して心配はない」と全ての方に思っていただける作業所運営を行ってまいります。
2022年度 安全衛生基本方針 具体的実施事項
-
(1)決められたルールと作業手順を厳守させ、作業所の労働安全活動を推進し、労働災害を未然に防止します。
- 1)小規模工事を含め、作業計画や作業手順を厳格に審査して、不備があれば是正されるまで作業は着手させません。
- 2)日々の巡視や安全衛生パトロールをその日の作業手順に照らして実施し、手順違反を見つけたら臆せず作業を中止させて、その場で是正させます。
- 3)若手・経験年数の少ない社員・作業員への教育を繰り返し実施し、「危険性・有害性」を見抜く力を養います。
- 4)私たちの行う安全衛生管理を協力企業従業員から事業主の方々まで、理解、納得していただき、安全で安心な職場づくりに参画していただくために、繰り返し丁寧なコミュニケーションを続けます。
- (2)同じ事業所、同じ作業所、同じ様な労働災害、同じ協力企業による事故・労働災害は、繰り返し発生させません。
安全成績
2021年度の当社作業所における労働災害被災者数は29人と前年度に比べて14.7%減少しました。特に対策に注力した熱中症は前年度に比べ60.0%減となったほか、はさまれ・巻き込まれや切れ・こすれ等の事故も減少しています。ただし、墜落・転落災害は前年度から大きく増加しているほか、激突・激突され事故も増加傾向が見られます。また労働災害全体に占める休業4日以上の災害の割合が増加したため、単位時間当たりの労働損失日数を示す「強度率」は増加しました。
2022年度は決められたルールと作業手順の順守を徹底し、特に「同じ事業所、同じ作業所、同じ様な労働災害、同じ協力企業による事故・労働災害」等の「繰り返し型労働災害」の撲滅を安全衛生管理基本方針として、当社社員および協力企業作業員の全員が一致協力して、労働災害の未然防止を徹底してまいります。
2019年度までは、被災者数は当社の労災保険適用者のみを計上していましたが、2020年度より当社の労災保険適用者以外も含む、当社の作業所内(共同企業体のサブ工事は除く)で働く作業員の方全て(一人親方等を含む)を計上しています。
労働災害の型別 | 人数 |
---|---|
熱中症 | 4(0) |
はさまれ・巻き込まれ | 5(1) |
切れ・こすれ | 4(0) |
激突・激突され | 6(1) |
墜落・転落 | 7(4) |
転倒 | 2(1) |
飛来・落下 | 0(0) |
その他 | 1(0) |
計 | 29(7) |
- 人数には不休も含む
- ( )内は休業4日以上の労働災害を示す

- 2020年度より一人親方、運送業、警備業の作業員の方の労働災害人数も含めています
- 度数率:100万延労働時間あたりの労働災害件数で、労働災害の発生頻度を表したもの
- 強度率:1000延労働時間あたりの労働損失日数で、労働災害の重篤度を表したもの
(2021年度)

近年の当社の労働災害の傾向として、新規に建設業界に入職した作業員の労働災害が多くみられます。2021年度は、入職5年未満でけがをした作業員が全被災者の約41%を占めています。経験不足により、作業所に潜む「危険性・有害性」を「見抜く力」が十分に身に付いていないことが一因と考えられます。
新規入職者に対する見守りを確実にするため、対象者にはヘルメットにステッカーを貼ってもらい、周囲に対しても注意を促しています。また現場に潜む「危険性・有害性」を「見抜く力」の育成のため、作業所内の先輩作業員や協力企業の事業主の皆様と連携し、新規入職者の育成と不安全行動に対する声掛け・見守りを行っています。
高齢者の労働災害未然防止
(2012年度~2021年度通算)

建設作業員の高齢化が急速に進んでいます。高齢作業員は躓き転倒、腰痛、熱中症等の労働災害発生の危険性が高く、また高齢作業員の場合は被災者数に占める休業災害の割合が高く、被害が重篤化しやすい傾向にあります。さらに高齢の運転手が運転する重機による労働災害や事故も見受けられます。
これらの災害発生の防止策として、場内の整理整頓、安全通路の確保、段差の解消、照明の確保等の基本事項はもとより、作業内容や機械・工場製品化への見直しにより、高齢者に負担のかからない働きやすい作業所を目指して工夫を重ねています。同時に、65歳以上の作業員については、新規入場時に「高齢者就労届」や「健康診断書」を確認すると共に、重機械の運転手については、適性検査、面談、技能チェック等を実施し、適性を確認した後に作業場へ配置しています。
このように、ハード面・ソフト面の両面での対策で高齢者の労働災害および事故等の未然防止を実施しています。
安全衛生パトロール


安全衛生パトロールは、作業員の安全を守るうえで大切な役割を果たしています。当社では、支社店長によるパトロールをはじめ、管理職による現場巡視、工事部のラインパトロール、安全環境課のパトロール、安全衛生協力会のパトロール等、様々な立場の人が、様々な切り口で作業所を点検することで、作業所内での慣れや思い込みによる不安全状態の発生の防止を図っています。また、安全衛生パトロールの責任者には、重大な危険性を発見した場合は、その場で工事中止を命令する役割と責任が与えられています。
2021年度の工事部によるラインパトロールは、全国で646件実施され、2,434件の指摘を行いました。一つひとつの指摘により危険の芽を摘み、安全で快適な職場づくりを目指しています。
社員教育

2020年度より、新型コロナウイルス感染症予防のため、社員教育にも従来からの対面による集合教育に加え、Web教育やオンデマンド講座の導入など新しい方法を導入しています。Web教育にはオンデマンド講座により作業所に居ながら教育が受けられるようになり、受講者の移動時間や経費の削減にもなる長所があります。一方で対面教育には講師が教育対象者の反応や理解度を把握しやすいという特長があり、また実地訓練には教育対象者も自ら体験することでより実感を持って学習できるという特長があります。
対面教育とWeb教育、実地訓練等、多様な教育の手法を組み合わせ「見抜く力」を身に付けるための効果的な教育を実施しています。