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「銭形平次」誕生秘話
ご存知「銭形平次捕物控」。野村胡堂氏の傑作小説であるが、これほど大衆に愛され、長く親しまれた小説は日本でも珍しい。
実はこの平次親分、一番最初に文芸春秋の月刊誌「オール読物」に登場した際の命名のヒントは当社の社名と社章だった。
胡堂は文芸春秋から「岡本綺堂の半七捕物帳のようなものを」と依頼され構想を練る時に大変悩んだ。半七と同じでは能がない。 「水滸伝」の中に登場する小石投げの名人のようなワザがほしい・・・・。 そうこうするうちに、平次という名が先に決まった。 姓とワザ・・・と思案なげ首のある日、ふと窓外のビル建設現場が目に入る。 『設計 施工 錢高組』の看板と社章の『錢』。 ポン、と膝をたた いて投げ銭がまず決定。 名前の方は、「錢高」では商標もあるしと、「錢安」「錢○」「錢○」・・・とあてはめていくがうまくいかない。 そこで「錢高」の「タカ」を逆にして「ゼニカタ」。 ついにこれに決まったという。以上は胡堂氏の随筆集からも明らかで、昭和6年誕生以来27年間で383編におよぶという膨大なもの。 ところで昭和6年というのは当社が株式会社として発足した、まさにその年。因縁浅からぬものを感じる。
また当社は、平成7年6月に胡堂氏の出身地である岩手県紫波町に音楽評論家「野村あらえびす」としても著名な胡堂氏の業績を同町が顕彰しようと建設した「野村胡堂・あらえびす記念館 」の施工を担当している。
野村胡堂・あらえびす記念館
【関連リンク】
野村胡堂・あらえびす記念館 企画展「平次誕生の一年」