CSR

はじめに
当社は1705年(寶永2年)、現在の大阪府阪南市において創業しました。お客様をはじめとする多くの皆様のお力添えをいただき、江戸の時代から明治、大正、昭和、平成、そして令和と今日まで315年を超える時代を当社は歩んでまいりました。大きな時代の変化の中にあっても、変わらないこと、また変えてはならないこと。それはお客様をはじめとする社会の皆様からの信用・信頼に確実にお応えしていくことであり、それによって当社の企業価値を向上させ、お客様、ひいては社会に対して価値を提供していくことに他なりません。
2022年度は、当社元従業員の関係するコンプライアンス違反行為が明らかとなり、株主様やお客様をはじめとする関係の皆様に多大なご心配、ご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。当社はかかる事態を厳粛に受け止め、各種考動規範を改めまして、より一層のコンプライアンスの徹底を図ってまいります。眼前の仕事に誠意をもって丁寧に対応し、土木構造物や建築物を一つひとつお客様にお渡しすることのみが、当社の信頼回復の唯一の道と心得ます。引き続きご指導の程よろしくお願い申し上げます。
第12次中期経営計画の進捗とSDGsへの取り組みについて
2020年度から3か年の計画でスタートした「第12次中期経営計画」は2022年度に最終年度を迎えています。第12次中期経営計画では
- ①人材
- ②組織
- ③生産性向上
- ④安全
- ⑤品質
を「5本の柱」とし、さらに2021年度からは⑥環境を6本目の柱と位置づけ、取り組みを強化しています。また国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の理念を尊重し、当社事業に関連する重要課題を中期経営計画の柱とリンクさせて、各々のテーマに取り組んでいます。
今回の『CSR報告書2022』では、昨年度に発行した『CSR報告書2021』でご紹介しました、当社の重要課題に対する取り組みの進捗状況について、各章の中でご紹介しています。
来たる2023年度からは新たな3か年計画となる「第13次中期経営計画」のスタートを控えており、現在策定に向け準備を進めている状況です。創業320周年の節目となる2025年、そしてさらにその先の未来を見据え、変化著しい時代の中で当社が社会に対してどのような価値を提供できるのか、従業員全員が自分事として課題の整理と具体策の実現に取り組んでまいります。
環境対応と建設業の社会的使命
気候変動をはじめとする環境問題に対する社会的な関心がますます高まっています。当社は①生産プロセス・施工段階における脱炭素化の推進、そして②ZEBをはじめとする建設物の省エネ技術の開発・ブラッシュアップを柱に、企業の社会的責任を果たすべく、環境問題に対する具体的な取り組みを強化しております。今回の『CSR報告書2022』では、当社設計施工として初めてのZEB物件である「ロジクロス座間小松原」についてご紹介しているほか、ZEBプランナー登録やトンネル工事における「CO2の見える化」を実現する技術開発等、環境問題に対する当社の具体的な取り組みをご紹介しています。
さらに、災害の激甚化が進む現代において、災害復興は建設業に求められる社会的役割として、その重要性が一段と高まっています。当社は古くは大正末期の関東大震災後の震災復興事業としての小学校建設工事をはじめ、戦災や様々な自然災害からの復興事業に携わってまいりました。今回の『CSR報告書2022』では、大きな節目を迎えた東日本大震災からの復興支援事業を特集としてご紹介しています。また工事レポートとして、2021年に九州地方を襲った豪雨災害をうけての「大分210号赤岩東地区災害復旧工事」の取り組みをご紹介しています。
当社はこれからも、建設業の重要な使命である災害に強い国土づくり、そして被災された地域の復興への思いを胸に、事業に邁進してまいります。
最後に

当社を取り巻く事業環境や社会環境は従前にも増して急速に、大きく変化しています。多少旧聞に属しますが、2018年世界経済フォーラム(ダボス会議)において、カナダのトルドー首相が変化のスピードについて、「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化の遅い時代も二度とこないだろう」と発言しています。
しかし大きな変化の中にあっても「お客様」をはじめとする当社を取り巻く社会からの期待に応えていくこと、そして社会に対して価値を提供していくことの重要性は変わりません。2025年には当社は創業320周年を迎えます。いま改めて「信用第一」から始まる当社の「社是」、そして「社会から認められ社会から求められる企業として永遠に発展する」を標榜する「経営理念」の精神に立ち返り、従業員一人ひとりがその役割と責任を自覚し、社会への価値提供に向け事業に邁進してまいります。今般取りまとめました『CSR報告書2022』をご高覧いただき、当社の事業活動に対しまして忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます。