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REPORT1 国道158号 大白川トンネル 当社開発技術でエネルギー使用量の最適化を実現

  • SDGs エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  • SDGs 産業と技術革新の基礎をつくろう
  • SDGs 住み続けられるまちづくりを
  • SDGs つくる責任つかう責任
  • SDGs 陸の豊かさも守ろう
覆工コンクリート打設状況覆工コンクリート打設状況

長野県松本市から岐阜県を経て福井県福井市に至る国道158号は、上高地・白骨温泉・乗鞍高原など観光地へのアクセス道路として観光シーズンには交通が集中する道路です。一方で当該路線は急峻で狭隘な箇所が多く、幅員不足や線形不良などの交通の危険性を抱えていたことから、これらの問題解消のために計画されたトンネルの一つが、全長1,534mの「大白川トンネル」です。当社はその1工事として掘削延長800mを施工し、引き続きその2工事で残り延長734mの施工を担当しました。
自然豊かな地域に位置する当工事周辺には希少動植物が確認されており、また地層には自然由来の重金属等が含まれていたため、環境保全に対して細心の注意を払った施工を行ったほか、当社が開発したトンネル施工全体の電気エネルギー使用量の制御技術「TUNNEL EYE(トンネル・アイ)」を活用することで、環境に配慮した施工を実施しました。さらに当該施工場所は冬期最低気温がマイナス5℃を下回る厳しい環境条件であったため、持続可能かつ強靱なインフラ整備を目的として、覆工コンクリートの高品質化(長寿命化)に取り組みました。

工事概要
事業主
国土交通省関東地方整備局
設計者
株式会社ドーコン
工事場所
長野県松本市安曇地先
工期
(その1工事)2016年3月~2019年2月
(その2工事)2018年7月~2021年2月
工事概要
トンネル掘削 (その1工事) 800m
(その2工事) 734m
覆工コンクリート・防水工 (その1工事) 532m
(その2工事) 1,002m
道路改良(残土処理工) (その1工事) 76,000㎥
(その2工事) 65,000㎥
橋梁下部(A2橋台) 1基
工事場所 地図
目次

1 - 当社開発技術「TUNNEL EYE」でエネルギー使用量を最適化

建設工事では多くのエネルギーを消費しますが、山岳トンネルの施工では特に多くの電気エネルギーを消費します。これはトンネルが閉鎖空間であることから、トンネル重機の多くが内燃機関ではなく電力で稼働すること、そして換気設備や照明設備が必要なためです。同時に施工に伴ってトンネル内の環境は刻々と変化するため、粉じんの量などに応じて最適な換気設備の運転管理も必要です。
当社はトンネル施工に伴う電気エネルギーの使用について、センシング技術とIoTネットワークを活用して総合的に管理し、最適な環境を維持しながらも無駄なエネルギー使用を抑える技術「TUNNEL EYE(トンネル・アイ)」を開発し、当工事に導入しました。
当工事では非接触型IDタグにより坑内の人や車両の動きを把握し、作業内容に応じて最適な照度を自動制御することでエネルギー使用の無駄を防止。またトンネルの作業工程や坑内環境を各種センサーにて常時監視し、粉じんの量などに応じて最適な換気量をリアルタイムで自動制御することで、工事全体で約15%、特に換気設備関連では約35%の電気使用量の削減を実現しました。

  • 坑内の換気装置坑内の換気装置
  • 到達部から覗く外の光到達部から覗く外の光

2 - 高品質化・長寿命化でライフサイクルコストを縮減

道路トンネルは市街地部での渋滞緩和、山間部での距離・時間の短縮や地域間のアクセス向上を目的に構築された社会的に重要なインフラ施設です。一方でトンネルは、構造的にも造り替えが困難なため、適切な維持管理により長期間供用していく必要があります。
当工事ではライフサイクルコスト縮減の観点から、建設段階から高品質・長寿命の構造物を構築することを目的とし、トンネル内壁の覆工コンクリート背面(山側)の平滑化による防水機能の確保や耐久性向上に効果のある天端の締固め技術などを導入したほか、トンネル内壁の覆工コンクリート脱型後には湿潤養生技術を導入することでコンクリートひび割れ抑制を図り、構造物の高品質化・長寿命化を実現しました。

施工現場から

東京支社土木部作業所長 森川淳司

東京支社 土木部 作業所長森川 淳司

建設現場では多くの資材やエネルギーを使用しています。本工事でも、騒音、振動、排水処理対策を含め、土壌汚染、希少種への対応等周辺環境への影響に留意しながらもCO2排出量の削減を目指し、工事を進めました。2050年度のカーボンニュートラル実現に向け、更なる生産性の向上や省エネに寄与するICT・IoTの活用、再生可能エネルギーの利用などにより、建設現場における脱炭素化に積極的に取り組んでまいります。