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工事レポート

首都高速中央環状品川線シールドトンネル

2012年05月 UP
首都高速中央環状品川線シールドトンネル

世界最大級のシールドトンネル(仕上内径11.5m)

本工事は、首都高速中央環状線の南側部分に位置し、中央環状新宿線および高速3号渋谷線と高速湾岸線を結ぶ中央環状品川線の大井ジャンクション行きシールドトンネル(東京都発注)工事です。品川区八潮の大井北立坑を発進基地とし、京浜運河、目黒川、山手通りの地下を通過して大橋ジャンクションに至る約8kmを泥土圧式シールド工法で構築するものです。
シールド外径12.53m、延長8kmのシールドトンネルは世界最大級です。本路線の整備により首都高速道路および周辺道路の交通渋滞が緩和され、車の排出ガス量の抑制など大きな環境改善が期待できます。

工事概要

工事名 中央環状品川線シールドトンネル工事
施工場所 東京都品川区八潮~目黒区青葉台
発注者 東京都
設計 日本シビックコンサルタント株式会社
工期 2008年6月25日~2012年11月30日
掘削延長 7,967m
シールド外径 12.53m
仕上内径 11.5m
発生土処分 97万m3
Uターン路工 3ヶ所
 

大井ジャンクションと大橋ジャンクションを結ぶ首都高速中央環状品川線の2本の全長8kmの超長距離シールドトンネルは、大井ジャンクション行きシールドトンネルが2011年12月13日に到達しました。2013年度開通に向けて、現在、避難通路、床板工事等を施工しています。大橋ジャンクション行きシールドトンネル(首都高速道路発注)も2012年3月22日に到達し、品川線全てのシールドトンネルが到達しました。

品川線路線図

首都圏主要道路路線図

工事の特色

■高速化施工への挑戦
本工事の最大月進量は、2010年10月に記録した637mで、東日本大震災等よる休止期間を除き、8kmの掘進を約17ヶ月で完了しました。
高速施工を実現するために様々な工夫と技術を採用しています。
シールド機は、掘進速度50mm/分以上の高速推進ジャッキ、国内最大級となる直径1200mmのスクリューコンベアを備えています。また、坑内全域に連続ベルトコンベアを設置し、1日当たり4500m3以上の掘削土を後方の発進立坑まで搬送しました。発進立坑は京浜運河に隣接しているため、土砂の場外搬出には船舶を用いました。
セグメントは、国内最大の幅2.0mとし、製造、運搬、施工性を考慮して分割しました。セグメント間継手は嵌合(かんごう:はめ合わせること)型とし、組立機械の高速化と併せて組立時間を短縮しました。さらに、推進ジャッキをブロック分割式の油圧制御とし、自動マシン方向制御システムと組み合わせることにより、シールド掘進とセグメントの組み立てが同時施工可能なシステムとしています。これらの様々な工夫により一連の作業サイクル時間を短縮し、高速施工を実現しました。
シールド掘進と同時に道路床版工事を行いました。また、並行施工している大橋ジャンクション行きシールドトンネルとの避難通路工事(11ヶ所)には刃口推進工法を、車両のUターン路工事(3ヶ所)には曲線パイプルーフ工法を採用して切り開き施工を行いました。これらの工事もシールド掘進と同時に施工しました。

大井北発進立坑

シールドマシン

セグメント組み立て

Uターン路

■長距離施工と品質確保
8kmにわたるN値50以上の硬質泥岩層を対象とした長距離掘進を行うため、カッタービット(シールド機前面の歯)は摩耗を考慮して超硬チップを付加しました。シールド工事は、掘削、セグメント搬入・組立、ベルトコンベアによる土砂運搬、土砂の場外搬出が連携した流れ作業で、一工程でも小さなトラブルが発生すると全ての工程がストップします。そのため、各種設備については、耐久性の向上対策等、きめ細かいメンテナンスを実施しました。
一般部のセグメントは、高強度コンクリートを用いたRCセグメント構造とし、100年の耐久性を持たせています。高強度コンクリートは火災時に急激な温度上昇を受けると表面が剥離・飛散する爆裂現象を起こすことがあるため、ポリプロピレン繊維を混入したコンクリートを使用し、耐火性能の向上を図っています。継手金物へのフッ素樹脂コーティングによる防食性能向上等、様々な工夫を凝らしています。