ZENITAKA Topics
大分法務総合庁舎
北西面外観
税務署や裁判所、警察署が建ち並ぶ大分市の官庁街の一角に、大分地方検察庁・大分区検察庁、大分地方法務局、大分保護観察所、福岡入国管理局大分出張所の4官署が入居する総合庁舎が完成しました。
大分市は、海、山、川、農村やまちの景観を大分市民共有の財産と考え、大分市固有の景観を「つくる、まもる、はぐくむ」ことを目的に「大分市景観条例」を制定しています。大分法務総合庁舎は、環境意識の高い大分市の風土にふさわしい、新しい庁舎のスタイルを確立しました。
工事概要
工事名 | 大分法務総合庁舎建築工事 |
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施工場所 | 大分県大分市荷揚町 |
建築主 | 国土交通省九州地方整備局 |
設計・監理 | 国土交通省九州地方整備局 株式会社 佐藤総合計画 |
工期 | 2008年2月7日~2010年10月29日 |
構造・規模 | S造 地下1階 地上10階建 |
建築面積 | 1,403.41m2 |
延床面積 | 13,126.10m2 |
建物 Building
建物は、ライフサイクルを通じたCO2削減を目的として、自然エネルギーの利用、省エネルギー、建物の長寿命化などを軸に計画され、様々な環境対応設備を備え、高い環境性能を有しています。また、将来の改修や模様替えを考慮して外壁や間仕切をパネル化し、サスティナビリティ、フレキシビリティに優れた庁舎となりました。
建物の西面は窓を減らし、西日による日射負荷を低減するとともに、垂直ルーバーと高遮熱断熱ガラスを用いたカーテンウォールで外皮負荷を抑制しています。また、建物外周部から取り入れた外気を建物内に通風させ、西面に設置したエコシャフトから排気する自然換気手法を用いています。エコシャフト排気部には風の力で自動開閉する高機能サッシを設置しています。
地下階と1階系統の空調は、地下に設置したクールピットにより地中熱を利用して空調負荷を低減します。
エコシャフト
断面図
屋上緑化
太陽光発電
発電量の見える化
屋上には屋上緑化と太陽光発電を設置し、発電量をリアルタイムに見える化して一階ロビーに表示しているほか、雨水の再利用も行っています。
南面の窓にはライトシェルフを設置しています。これは、窓面に取り付けた庇に反射させた太陽光を天井面に広く拡散させ、柔らかな反射光を室内に取り込む手法です。
事務室や廊下の照明は、調光センサーによる初期照度補正を行い、トイレには人感センサーを設置しています。これらのことから照明負荷を低減しています。
ライトシェルフ
採光イメージ