CSR
- PROJECT DATA
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- 事業主
- 内閣府沖縄総合事務局開発建設部
- 設計
- 株式会社梓設計
- 工事場所
- 沖縄県那覇市
- 工期
- 2021年10月~2024年8月
- 工事概要
- RC造、地上9階
- 建築面積:
- 2,096.43㎡
- 延床面積:
- 14,800.98㎡
沖縄の気候に対応した新たな防災拠点
沖縄県那覇市の北部に位置する「那覇新都心」では、大規模災害に備え、地域と連携した防災拠点の整備として、「那覇第2地方合同庁舎3号館」の建設が進められています。従来近隣の複数の建物に入居していた気象台や国道事務所など、災害応急対応に従事する官署を集約し、災害発生時の連携強化や災害に強い地域づくりの支援等が期待されています。
南国・沖縄に建つ建物のため、強い日差しへの対策として庇などの遮光性能への配慮や台風や強風に対応した高い風圧力性能などが特徴の建物です。本工事では、様々な工夫により施工の省力化を図り、複雑な形状・強固な構造を実現しました。
外壁ハーフPC化
~施工プロセスを見直し、工期短縮と省力化を実現~
本建物は沖縄の強い日差しに対する対策として、建物の各階の4面全てに水平の庇とアルミ製のルーバー(羽板)を設置しています。そのため外壁は複雑な形状になり、施工にも時間がかかることが予想されていました。その対応として、外周部の部材をあらかじめ工場で製作しておき、現場で組み立ててコンクリートを現場打設し一体化させる「ハーフPC工法」を導入しました。これにより外壁の施工の工程短縮・省力化・省人化を実現すると共に、ハーフPC部材の組み立てに使用する支保工(仮設構造物)を作業用足場として活用するなど、施工の中にも様々な工夫を盛り込みました。
施工現場から
作業所長井関 将人
「災害に強い沖縄」の司令塔への期待毎年多くの台風が通過する沖縄において、災害への対策は地域の方々の命を守るために欠かせません。本施設はそれまで分散していた災害応急対応に従事する官署を1か所に集約し、地域の「防災の司令塔」としての機能の発揮が期待されているものです。沖縄の気候、特に強風への「強さ」と日差しを軽減する「柔軟さ」を兼ね備えた防災拠点となっています。
施工に際しては太平洋戦争において激戦地となった沖縄の歴史から、敷地の不発弾調査は必須でした。特に本建物の立地する「おもろまち」は戦後長らく米軍施設として利用され、返還後に整備が進んだ地域であり、より確実な不発弾調査が必要となりました。調査により敷地から7発の不発弾が発見され、自衛隊のご協力で安全に処理されました。改めて平和への思いを新たにする一幕でした。