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REPORT4 新名神高槻高架橋東〔下部工〕工事 交通の大動脈を支える高さ40m超の高橋脚を施工

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新名神高槻高架橋東〔下部工〕工事全景▪全景
全景(施工中)▪全景(施工中)
PROJECT DATA
工事名
新名神高槻高架橋東(下部工)工事
事業主
西日本高速道路株式会社
工事場所
大阪府高槻市
工期
2018年10月~2023年6月
工事概要
◦橋脚工
16基(橋脚高:35.0m~42.6m)
◦場所打コンクリート杭
φ1.2m 9.0m 320本
◦管渠工
施工場所 地図

新名神高速道路は、1965年に日本初の高速道路として開通した名神高速道路を補完するものとして現在建設が進められています。東名高速道路を補完する新東名高速道路とともに、関西・中部・首都圏を結ぶネットワークの多重化を図り、渋滞の減少、所要時間短縮・時間信頼性の向上や巨大地震・豪雨などの自然災害に対するレジリエンスの向上が期待されています。
本工事は新名神高速道路の京田辺JCT・高槻JCT間のうち、淀川右岸側に建設中の「高槻高架橋」東側の下部工(橋脚)16基を建設する工事です。最高で高さ40m超にもなる高橋脚を環境にも配慮しながら安全に施工しました。

目次

落橋防止構造を高流動コンクリートで構築

落橋防止構造▪落橋防止構造

新名神高速道路は災害に対する安全性の強化や早期回復の確保を目指しており、本工事でも一部で地震に備えて橋桁の落下を防止するために橋脚上端部の幅を広くするなどの落橋防止構造を採用しています。そのため上端部は鉄筋配置が過密となり、コンクリート打設時の内部振動機(バイブレーター)による締固めができなくなりました。そこで通常のコンクリートよりも流動性の高い「高流動コンクリート」を使用し、バイブレーターを使用せずともコンクリートが隅々まで充填される計画としました。

環境に配慮した国内初の試みを採用

当工事では施工する橋脚の2基が池の中に位置しており、池の水質に影響を及ぼさない施工方法を検討しました。
施工中、池の中から立つ橋脚の足元には締切鋼矢板を設け、水が浸入しないようにして施工を行いました。締切鋼矢板内の地盤改良工事に際しては使用するアルカリ性の薬剤が流出しないようにCPG工法(静的圧入締固め工法)により周辺部の地盤を締固めました。今回は一般的に使われるアルカリ性のセメント系薬剤ではなく、国内で初めて焼石こうを主成分とする中性の固化材を採用。水環境を保全し、環境に配慮した施工を実現しました。

施工方法

3次元計測を駆使した次世代の現場管理

施工箇所上空には高圧電線が架かっており、クレーンが接触すると感電や停電などの事故につながる可能性があるため、安全対策が必要となりました。
本工事では次世代の現場管理手法として3次元計測データをフル活用し、施工計画を検討しました。地上型レーザースキャナーを使用して高圧電線を3次元計測し、進入禁止の「危険エリア」と安全に施工が可能な「施工エリア」を設定。危険エリアにクレーンが侵入するか、または施工エリアからクレーンが出るとモニタ画面と警報装置によって通知される仕組みを導入し、安全対策を徹底しました。
更に施工した橋脚の3次元データも作成し、上部工(橋桁)の施工や将来の維持管理への活用も計画しています。3次元データ取得にはドローンを活用し、高さ40mの橋脚を均一な密度でノイズなくスキャン。設計図の3次元モデルとの差分を確認することで、実際に施工された橋脚に合致した施工計画や維持管理の検討が可能になります。

  • ドローンの飛行経路プログラム▪ドローンの飛行経路プログラム
  • 設計図と実際に施工された橋脚との差分。設計との差異を色分けで表示。▪設計図と実際に施工された橋脚との差分。設計との差異を色分けで表示。

施工現場から

作業所長 鈴木 孝幸

作業所長鈴木 孝幸

地域の小学校による現場見学会▪地域の小学校による現場見学会

家族や地域のつながりをはぐくむ現場見学会施工現場に携わる方々の「かっこいい」姿を家族や地域の皆様にお届けするため、西日本高速道路様や施工管理員、協力会社の職員・作業員の家族等を対象にした現場見学会を開催しました。見学会では現場の案内だけでなく、使用する工具を使ったクイズや建設機械の乗車体験なども行い、参加した皆様に楽しい時間を過ごしていただきました。この見学会は大盛況で、参加者のご家庭でも話題になるほどの好評をいただきました。また、地域の小学校向けの見学会は、あいにくの雨天でしたが、熱意を持って取り組んだことで見学会後には参加者からお手紙をいただき、当社の社員にとっても貴重な体験となりました。
本工事では現場内の安全対策に加えて、交通量の多い国道171号に接することから運転手の安全教育などの交通災害の防止にも注力しました。その結果、西日本高速道路様の関西支社長表彰、安全衛生協議会総会での表彰を、品質巡回指導では最高評価のAAAをいただくことができました。