
当社がアフリカ・ウガンダ共和国で施工中の「アタリ流域地域灌漑施設整備計画」に関連し、当社のCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環として、認定NPO法人 道普請人(みちぶしんびと)と協働して地域貢献活動を実施しました。地域住民とともに当社社員も地域の道路再生をはじめとした活動に参加し、8月14日(金)に活動完了の記念式典を開催しました。
工事概要
- 実施機関
- 独立行政法人 国際協力機構(JICA)
- 事業主・契約者
- ウガンダ共和国農業畜産水産省
- 設計者・監理者
- 株式会社三祐コンサルタンツ
- 施工者
- 株式会社錢高組
- 施工場所
- ウガンダ共和国 ブランブリ県・クウェーン県
- 工期
- 2024年10月~2027年1月


本工事の施工場所であるウガンダ共和国東部のブランブリ県・クウェーン県の県境に広がるアタリ地域では、トウモロコシやヒマワリなど水をあまり必要としない農作物が生産されてきました。しかしこうした農作物は商業的価値が低く、地域の農業従事者の所得向上が重要課題となっていました。本工事は灌漑施設を整備し、より商業的価値の高い農作物である米の増産を図り、地域の農業従事者の所得向上を図ることを狙いとしています。
本工事は日本政府による無償資金協力による事業であり、当社にとってウガンダにおける5件目の施工実績となります。
【ウガンダ共和国における当社の施工実績】
ナイル川源流橋 (Source of the Nile Bridge)
中央ウガンダ地域医療施設
東部ウガンダ医療施設
ウガンダ共和国 稲研究・研修センター
また本工事に加え、2026年7月には新たに「カルマ橋架け替え計画」を受注しております。
ウガンダ共和国の「カルマ橋架け替え計画」を受注 ―錢高組2橋目のナイル川架橋―
本工事に関連した社会貢献活動について
認定NPO法人 道普請人(みちぶしんびと)は、開発途上国で「自分達で使う道は自分達で直す」ための支援活動を行う団体で、これまでに世界32カ国で延べ270.9kmの道路整備(うち土のうを活用した道路整備:86.4km)を行っています。(2026年3月末現在)
本工事に関連し、今回当社の出資で認定NPO法人 道普請人とタイアップし、アタリ地域で以下4つの活動を行いました。
①土のうを用いた道路補修と維持管理


灌漑施設の管理用道路は工事によって整備されるものの、施工範囲外のコミュニティ道路は整備対象外でした。コミュニティ道路は未舗装で、降雨によるぬかるみや轍、水たまり等により道路事情が劣悪でした。そのため商業的価値の高い米の生産が拡大しても、それを市場に流通させるための輸送の面で大きな障害となることが予想されました。
そこで今回、「土のう」を活用した道路整備を実施し、当社社員も地域住民とともに活動に参加しました。


道路整備は「住民自身の手による実施・維持管理を可能にする」ことを掲げ、高価な重機や特殊な技術を原則必要とせず、ほぼ全て人力で施工が可能になるよう工夫されています。作業員は現地の農業従事者から約50名が選出され、対象者には日当も支払われるなど、地域の雇用創出の機会にもなりました。これにより技術を地域に根付かせ、将来的に住民自身の手で道路補修が可能になるように配慮しています。
今回の活動に参加した訓練生の中からは、学んだスキルを活かし道路維持管理活動を継続するための動きも出てきており、本事業が地域の自主性を引き出し、住民の行動変容にもつながっています。
②地域住民を対象とした金融リテラシー教育


アタリ地域の多くの農家は季節性の収入に依存しており、家計管理のノウハウに乏しく生活水準向上の上で障害となっていました。今回、地域住民約200名を対象に、家計の金融リテラシーについての教育を実施し、家計簿管理や計画的な支出についての知識の定着を図りました。
研修生からは「生まれて初めて家計簿をつけた」「少しずつだが貯蓄ができるようになった」と喜びの声が聞かれました。
③燃料効率に優れる省エネ型かまどの建設


アタリ地域の全世帯が調理の主なエネルギー源を薪に依存している一方、伝統的なかまどは燃料効率が悪く、薪を大量に消費するため森林伐採や大気汚染の一因となっていました。今回、ウガンダのマケレレ大学の指導のもとに、近隣の住戸と小学校に熱効率に優れた省エネ型かまど計120基を建設。従来のかまどと比べて使用する薪の80%の削減が可能となったほか、調理時間の短縮や煙による健康被害の減少、子供の火傷防止などが期待されます。
建設にあたっては地域住民から選ばれたトレーナー(指導員)が指導し、入手しやすい身近な材料を使用してつくられました。今後も建設は継続される予定で、住民主体の取り組みで普及がさらに進むことが期待されています。
④地域の森林回復を目的とした植樹活動


アタリ地域では薪炭材のための大規模な伐採により、樹木不足が深刻化しています。今回は持続可能な天然資源管理と環境保全のため、地域のニーズを踏まえた薪炭材用の在来樹種に加え、農家にとって新たな収入源となりうるマンゴーなどの果樹 計18,602本の苗木を地域に植樹しました。
活動完了の記念式典 道路補修活動の参加者に「修了証書」を授与
2026年8月14日(金)には、一連の活動の完了を祝う「クロージングセレモニー」が現地で開催されました。式典にはJICAウガンダ事務所の大崎所長をはじめ、ウガンダ政府関係者やウガンダ国会・地方議会関係者、地域の水利組合など多くの方々にご参加いただいたほか、道路補修活動に参加した多くの地域住民も参加。補修が完了した道路でテープカットが行われたほか、完成した道路や省エネ型かまどの見学、記念植樹などが行われました。そして道路補修活動の参加者一人ひとりに、当社と認定NPO法人 道普請人のロゴが入った「修了証書」が手渡されました。


建設業は、その事業内容そのものが社会基盤の構築や地域の雇用創出など、社会において重要な役割を担っています。今回のCSR活動では、当社の工事に関連し、その事業効果を最大化し、さらに地域住民自身の力により将来にわたって自走できる形を作っていく、伴走型の支援を行いました。今回の活動に対して地域の方々から寄せられた多くの感謝の声も、海外で奮闘する当社社員にとっての支えとなっています。

当社は今後も様々な社会貢献活動を通して、企業の社会的責任を果たし、社会の発展と人々の豊かな生活を実現してまいります。