押出し架設 〔 3/18(水)押出し1日目 〕の様子
北海道新幹線 遊楽部(ゆうらっぷ)高架橋にて、国道277号を跨ぐ単純PC下路桁橋(橋名:立岩BvCstp1、L=48m)の押出し架設(総移動距離89m)が、2026年3~5月に行われました。
本橋は交差する国道上に仮支柱を設けることができない施工条件にあり、仮支柱を設けない単純下路桁の押出しとしては最大級になりました。高度な設計・施工技術の要求に加え、下路桁の押出し架設は施工事例が少ないため、試験施工を含めて入念な施工計画と準備を重ねて実施工に臨みました。
また、本橋では以下の新たな試みをしています。
1.鉄道橋として初めて橋軸方向のPC鋼材に高強度エポキシ被覆PC鋼より線を用いて上部工の重量増加を抑制
2.押出し時の水平力に対する補強として、橋脚の柱に仮設のUテンドンを用いて本設橋脚の破壊モードに影響を及ぼすことなく施工時の必要耐力を付与
3.国道の交通規制を最小限とするため、エンドレス滑り装置とダブルツインジャッキを採用
4.PC鋼材の張力モニタリングのため光ファイバーを用いたSmARTストランド計測を実施
この度、押出し架設を無事に完了しましたので、作業の様子をご紹介します。
工事概要
- 工事名
- 北海道新幹線、遊楽部高架橋
- 事業主
- (独)鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局
- 施工場所
- 北海道二海郡八雲町
- 工期
- 2023年4月~2027年11月(予定)
- 工事概要
- 施工延長 L=1,084m
PC下路桁 L=60m(固定式支保工架設)
L=48m(押出し架設)
3径間連続PC箱桁 L=217m(張出し架設)
ラーメン高架橋 11連
RC場所打ちT桁橋 20連
ニューマチックケーソン基礎 3基
RC橋脚 21基
場所打ちRC杭 φ1100~1500 191本 他
押出し架設工法の概要
CIMによる押出し架設シミュレーション
押出し架設工法は、主桁を支点上より後方の製作ヤードで構築し、完成した桁をジャッキによる推進力で押し出して架設する工法です。本橋は、施工速度の観点から反力集中方式を採用しました。
主桁後方に押出し装置を配置し、橋脚上にはエンドレス滑り装置を設置します。押出し装置に配置したPCケーブルに緊張力を与え、その反力を推進力として桁に作用させて軌条桁上を移動させます。

押出し架設工法(反力集中方式)概要
交通規制時間の短縮を目的に、押出し装置にダブルツインジャッキ(ラム作動ジャッキとシリンダ作動ジャッキの交互運転が可能)、滑り支承にエンドレス滑り装置(上下調整、反力測定機能を持つ支承型装置)を採用しました。

工程1 試験押出し


工程2 押出し1日目


工程3 押出し2日目


工程4 押出し3日目


工程5 ジャッキダウン


押出し施工の様子


最後に
この後、仮緊張ケーブルの解放、本設ケーブルの緊張、鋼角ストッパーの配置を実施し、翌5月に押出し施工の全工程を完了しております。
今回の架設は、押出し架設という事例の少ない施工方法に加え、PC下路桁構造は開断面で剛性が低く、ねじれ変形が生じやすい桁形式のため、当社の工事区間で最も高難易度となることが予想されました。弊社(錢高組)社員だけでなく、発注者、協力業者、外部の有識者など沢山の方々にご協力いただき、無事施工完了に至りました。当施工に関わったすべての関係者の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
今夏からは、3径間連続PC箱桁橋の張出し架設も控えております。今後とも気を抜くことなく竣工に向けて邁進して参ります。