Project Story 12 東北新幹線 三内丸山架道橋
Harmony with the Ancient Site 縄文時代の遺跡との調和を図り、最新技術を導入

青森県青森市に位置する国の特別史跡「三内丸山遺跡」は、日本最大級の縄文時代の大規模集落の遺跡です。
2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産にも登録されました。この三内丸山遺跡に隣接するのが、東北新幹線 三内丸山架道橋です。
将来的な拡幅計画のある国道や、洪水時に水を受け入れる遊水地等がある立地の関係から、150mという完成当時高速鉄道橋として国内最長の大スパンを持つ高架橋として計画されました。
また日本を代表する縄文時代の遺跡にも隣接していることから、景観にも配慮したデザインが採用されました。
特徴 Features
厳しい立地条件を踏まえたデザイン検討
-三内丸山遺跡との調和
隣接する三内丸山遺跡との環境調和の観点から、できるだけ圧迫感が少ないデザインの構造形式を検討しました。また立地の関係から橋脚を設置できる位置も限定されており、橋の全長450mに対して橋脚は3本、スパンは新幹線の橋梁としては当時最長となる150mとする計画になりました。
橋の構造には高さを抑えつつ長スパンに対応できる「エクストラドーズドPC橋」が採用されました。橋脚の上に伸びる「主塔」から斜めに張った斜材(ケーブル)で橋桁を吊る形式の橋梁で、外観が似ている「斜張橋」よりも主塔の高さが低いことが特徴です。本橋では150mのスパンに対して主塔の高さは基礎天端から頂上まで40.5m、橋桁上端からの高さは17.5mにまで低く抑えられており、木立を挟んで隣接する三内丸山遺跡からは見えないようになっています。
新開発の技術を適用
―主塔部斜材構造「1重管サドル」
当橋梁には多くの新技術が適用されています。その一つが本橋梁で初めて実用化された「1重管サドル」です。
橋桁を吊る斜材(ケーブル)は主塔の中を貫通して両側に伸びていますが、主塔の中で斜材を受け止める部分は、その形から馬の鞍になぞらえて「サドル」と呼ばれます。橋桁を吊り上げる斜材には非常に大きな力がかかるため、サドルの構造も重要になってきます。従来はチューブ状の構造を2重にしてケーブルを支える「2重管サドル」が多く採用されてきましたが、これまでのデータの蓄積から性能と経済性に優れた「1重管サドル」を新たに開発しました。
また金属製のケーブルを主な素材とする斜材は、温度変化で伸び縮みが発生することがあります。これを抑制するため、塗装色を熱を吸収しにくい色にしたり、保護管の口径を見直し断熱層を厚くしたりすることで温度変化抑制対策を施しました。
土木学会田中賞、
プレストレストコンクリート技術協会賞を受賞
これらの新技術はその後建設された多くの新幹線橋梁でも採用されることとなり、本橋梁は高速鉄道橋のエクストラドーズド橋の技術のひとつの到達点ともいうべき記念碑的な橋梁となりました。本橋梁は高速鉄道橋のさらなる長大化への道を拓いたことが評価され、2008年度土木学会田中賞および2008年度プレストレストコンクリート技術協会賞を受賞しました。
土木学会田中賞は、日本の橋梁技術史に大きな足跡を残した橋梁技術者、田中豊博士(1888-1964)を顕彰して創設されたもので、計画・設計・施工・美観などの面において特に優れた特色を有する橋梁に与えられる賞です。当社施工の作品では「くじら橋」「吾妻川橋りょう」「新余部橋りょう」等をはじめ、これまでにも多くの橋梁が受賞しています。
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工事概要 Outline
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- 工事場所
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青森県青森市
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- 事業主
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独立行政法人 鉄道・運輸施設整備支援機構
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- 設計
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独立行政法人 鉄道・運輸施設整備支援機構
千代田コンサルタント 株式会社
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- 工期
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2005年3月18日~2008年12月15日
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- 工事概要
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PC4径間連続エクストラドーズド箱桁橋
橋長450.0m(75.0+150.0+150.0+75.0m)
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- 受賞
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2008年度土木学会田中賞
2008年度プレストレストコンクリート技術協会賞