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栃木・フリウギトンネル
トンネル坑口
湯西川ダムの建設により水没する道路の付替(延長2.4km)建設工事のうち、トンネル部分(フリウギトンネル約600m)が2012年7月に完成しました。
同トンネルは、2011年5月に坑口付けに着手して以来、低土被り部、断層破砕帯がありましたが、順調に掘削を続け、2011年12月1日に無事、反対側に貫通しました。
二次覆工コンクリートは、寒冷地の施工であり、品質管理のため数々の工夫を凝らしました。
当地域には、日光東照宮や鬼怒川温泉、川治温泉、湯西川温泉などがあり、多くの観光客が訪れる場所でもあり、自然環境に配慮して施工を進めました。
工事概要
施工場所 | 栃木県日光市湯西川地先 |
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発注者 | 国土交通省関東地方整備局 |
工期 | 2010年10月21日~2012年6月29日 |
工事概要 | トンネル延長 L=598m NATM工法、全断面発破工法 内空断面積:24m2 |
岩質 | 新第三紀中新世角礫岩 |
フリウギトンネル地質縦断図
施工場所
トンネル進入口
トンネル坑内
工事の特色
■小断面トンネル
フリウギトンネルは、幅が約4mと狭く、トンネル坑内で掘削に使用する機械や車両の離合ができない施工が困難な工事でした。そのため、坑内に離合箇所(幅7m、長さ40m)を2ヶ所設け、作業の効率化を図りました。また、支保工建込みと吹付けコンクリートの作業を1台の機械で行うことができるエレクタ-付き吹付け機を採用し、機械入れ替えの回数を減らすことで作業の効率化を図りました。
■下り勾配(3%)での施工
トンネル掘削は、全線にわたり3%の下り勾配での施工でした。そのため、坑内で発生する水は、水中ポンプで強制排水し、突発湧水や停電によりトンネル坑内が水没しないよう、予備の排水系統と停電時の発電機自動運転システムを設置しました。
■二次覆工の施工
トンネルの位置が標高700mを越えることや冬期の施工となること、トンネル断面が小さいために二次覆工コンクリートは貫通後の打設となること等、厳しい施工条件下での作業となりました。
トンネル外気温は、氷点下10度以下、トンネル坑内温度も0度以下となることが多く、ジェットヒーターによる保温養生、断熱材を用いた養生等を行い、型枠脱型時のコンクリート品質を確保しました。
火薬装てん削孔作業
二次覆工施工状況