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ZENITAKA Topics

工事レポート

福岡市春吉3号幹線

2013年01月 UP
福岡市春吉3号幹線

トンネル坑内

福岡市では、総合的な浸水対策の一環として下水道総合浸水対策事業「レインボープラン」を推進しています。本工事は福岡市天神地区周辺の浸水対策事業に併せて隣接する春吉地区で10年に一度の大雨に対応する雨水管渠を築造するものです。
2013年1月に発進立坑をスタートしたシールド機(泥土圧式シールド工法)が到達点に達しました。

本工事は二次覆工省略型セグメントを採用し、トンネル二次覆工コンクリートが省かれ、工期短縮、ローコスト化を図っています。
発進立坑は、今泉公園内に築造し、施工路線は道路幅が狭く西鉄天神大牟田線の高架をくぐり、細い路地をくねるように掘削を進めました。土質は、風化花崗岩を主体とし、土被りは7~8mで比較的安定していますが、路線線形にはR15mが3箇所、R30mが2箇所と急曲線の連続でシールド機の水平垂直管理に最善の注意を払い掘進管理を行いました。

位置図

シールド機

急曲線セグメント組み立て

工事概要

施工場所 福岡市中央区今泉町地内
発注者 福岡市道路下水道局
シールド内径 2,400mm
シールド延長 953.5m
 

施工 Construction

■急曲線施工
本工事は急曲線の多い線形で、交通量の多い狭小な道路下での施工となっています。計画線形に対する精度の高い施工と周囲への影響を最小限に抑えることが求められました。シールドマシンは後胴が伸縮するテールスライド機能を採用しました。また、余掘量を抑える中折れ機能でカーブを施工することで周辺地盤への影響を抑えるとともに急曲線のセグメントには当社が開発したEバッグ工法を採用し、掘進中は2リング毎に細かい測量(シールド機やセグメント位置、およびテールクリアランス量)を実施することで最大偏心量を30mm程度で施工しました。

■シールド機内からの地盤改良
掘進路線の上部には下水道幹線が横断して、その離隔はシールド機から約0.8mでした。当初は、防護工として地上の道路より高圧噴射改良工と斜め薬液注入工を計画していましたが、地上部の夜間通行止めをなくす目的でシールド機内からの水平削孔による薬液注入工を計画し、施工しました。
シールド機にはあらかじめ止水装置とスクリュの傾斜装置を装備しています。薬液注入工は下水道幹線の挙動を把握しながら地上道路の通行止め(当初計画で1ヶ月以上)を行うことなく無事に完了し、その後のシールド掘進でも下水道幹線を沈下させることなく通過しました。

■シールド機からの障害物探査
下水道幹線付近は試掘時に残置鋼矢板が複数枚確認されていました。地上からの探査の他に、シールド機内からは前方磁気探査(当社開発)も実施しシールド機から0.8mに残置鋼矢板を確認しましたが、線形を変更することなく下水道幹線周囲を地盤改良し、無事通過しました。

シールド坑内からの地盤改良工

シールド坑内からの地盤改良工断面図