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ZENITAKA Topics

橋ものがたり

北陸新幹線 小矢部川橋りょう

2018年02月 UP

小矢部高架橋工事は、北陸新幹線 新高岡駅(仮称)と金沢駅間で、新高岡駅西方約14kmに位置する延長550mの高架橋および橋りょう工事で、2012年7月に完成しました。

本高架橋は、富山県小矢部市内において、小矢部川と渋江川の合流付近に位置する北陸新幹線の小矢部川橋りょうおよび高架橋です。河川内の橋脚3基はニューマチックケーソン工法、上部工は張出し架設工法により施工しました。

小矢部川は、河川内にはアユ、タカハヤ、オイカワ、ウグイ、イトヨ、トミヨ等の魚類が生息しています。また、昆虫類の貴重種としては、ハッチョウトンボ、タガメ、クロムラサキ、ヒゲブトグンバイ、トヤマオサムシ等が、河川敷およびその周辺に生息している自然豊かな河川です。自然環境を守り、河川との共存共栄を第一に、工事を進めました。

小矢部川橋りょう

小矢部川橋りょう

北陸新幹線路線図

工事概要

施工場所 富山県小矢部市茄子島地内~綾子地内
発 注 者 独立行政法人 鉄道・運輸施設整備支援機構
北陸新幹線第二建設局
施  工 錢高・北野・藤井特定建設工事共同企業体
工  期 2008年3月6日~2012年8月10日
工事延長 550m(橋りょう293m、高架橋257m)

施工 Construction

工事全体図

■厳しい制限を受ける河川内橋梁下部工(ニューマチックケーソン)の施工
小矢部川の河川内は、大きな転石が予想されたため、河川内の3基の橋梁基礎はニューマチックケーソン工法を採用して施工しました。橋梁基礎の施工は、河川水位が下がる2009年10月から2010年6月までの非出水期に3基同時に施工しました。緊急出水対策として、河川内の資機材は速やかに退避できるものに限定するとともに、函内からの退避訓練の実施を徹底し、安全第一で施工しました。また、ケーソン設備(コンプレッサー室)は、騒音対策として民家の少ない場所に設置し、送気管渡川橋を設置し、河川内の各ケーソンに送気しました。掘削深さは最大31mで、この深さと地下水を考慮して最大函内圧は0.26MPaにて掘削するとともに、工程管理には特に重点をおいて施工しました。

ニューマチックケーソン施工状況

下部工完成

■大雪の中の張出し架設上部工の施工
小矢部川を跨ぐ橋りょう部の上部工(293m)は、張出し架設工法で施工しました。前年度にニューマチックケーソン工法で施工した3基の橋脚より、6基の移動作業車による同時張出し施工を行いました。最大12ブロックの張出しを繰り返し、2010年10月から2011年6月までの非出水期に集中して施工しました。施工にあたっては、河川内にコンクリート、油脂類の落下を防止するため落下防止柵を設置するとともに、移動作業車回りは「採光パネル」を設置し、効率的に太陽光を活用することでコンクリート養生燃料費を削減しました。

2011年の冬は大雪に見舞われ、早朝より地域の方々と連携して連日周辺道路の除雪を行うとともに、鏡面上も毎日手作業で除雪を行い、6月20日のアユ漁解禁日までに河川内作業を完了しました。

PC上部工施工(1月)

(3月)

(5月)

中央閉合完了

■地域とのふれあい
当工事は、河川内の工事が多く、工事開始時から河川敷の清掃や、保育園児のアユの稚魚放流のお手伝い等、地域のボランティア活動に積極的に参加しました。こうした地域への活動により、小矢部市綾子地区自治会長より感謝状を授与されました。

工事中には地元の方、地域の学生など数多くの「見学者」を現場に招き、現場のハイライトを見て頂きました。高架橋部、橋梁部がすべてつながった際には、新幹線が通る橋面を市民の方に歩いて頂く「レールウォーク」が小矢部市主催で開催され、抽選で選ばれた700人の方に工事現場を歩いて頂き、新幹線から見る地元の景色を一足早く満喫して頂きました。

アユの稚魚放流

河川清掃

レールウォーク