一般に、直径600mm の人通孔を有する鉄筋コンクリート造の基礎梁は、梁せいが1,800mm以上必要となる。この梁せいを1,500mm まで縮小できる技術について既報1)2)で報告した。今回は、開孔補強金物について、軽量で施工性に優れた高強度せん断補強筋を使用した製品に限定し、構造実験を実施した。
着目点は、①開孔直径と梁せいの比、②開孔部補強筋(孔際補強筋、開孔補強金物)、③コンクリート強度、④開孔上下の配筋仕様、の他、既報1)2)では開孔はスパン中央に1 個のみの状態しか確認しなかったが、⑤開孔のスパン方向の位置、隣接する小開孔の有無についても、その終局耐力への影響について確認した。
結果として、①~③に関しては修正広沢式4)によって終局耐力を適切、かつ安全側に評価できること、④に関しては一定量の配筋をすれば、終局耐力に影響を及ぼさないことが分かった。⑤に関しては開孔位置、他の小開孔との離隔距離のいずれについても、既往の規定を満足した状態であれば、終局耐力に影響を及ぼさないことが確認できた。
key words:鉄筋コンクリート、基礎梁、貫通孔、開孔補強金物、構造性能確認実験