2018年02月 UP
富山新港の港口部をまたぐ新湊大橋(全長600mの日本海側最大級の斜張橋)が、2012年9月23日に開通しました。新湊大橋は、東西主塔の高さが127m、海面から橋桁までの高さは47mあり、大型船も支障なく航行することができます。当社は、主橋梁部の西側(P20~P22)側径間の施工を担当しました。
本橋梁は、富山新港の分断された東西地域が結ばれることによる交通アクセスの向上や物流の効率化など、様々な地域活性化を図ることを目的に計画されました。架橋地点のすぐ脇には、海の貴婦人「海王丸」を一般公開している海王丸パークがあります。新湊大橋は、海王丸とともに富山新港の新たなシンボルとして来訪者を迎えることでしょう。


工事概要
- 橋名
- 新湊大橋
- 施工場所
- 富山県射水市堀岡新明神地先
- 当社施工工期
- 2007年9月28日~2010年2月26日
- 橋長
- 主橋梁部:600m 当社施工工区:120m
- 支間
- 主橋梁部:60m+60m+360m+60m+60m
当社施工工区:60m+60m - 構造形式
- 主橋梁部:5径間連続複合斜張橋
当社施工工区:2径間連続PC箱桁
構造
新湊大橋は、東西の側径間がPC(プレストレストコンクリート)箱桁、主径間が鋼製箱桁となる複合構造となっています。
- 桁の下面は全天候型の自転車・歩行者道を吊り下げる構造となっています。
- 主桁は海面から約50mもの高さになるため、主桁断面は両端部を鋭角にした六角形断面になっており、横からの強風に対して風がスムーズに流れるよう配慮されています。
- 阪神大震災級の地震が発生しても倒壊しないよう、免震支承やオイルダンパーなどの制振装置を組み込んでいます。
- 橋面の積雪・凍結対策には、付近の浄化センターの下水処理水を有用利用した散水方式を採用しました。

■ あいの風プロムナード
桁下面に吊下げる全天候型の自転車・歩行者道は「あいの風プロムナード」と名づけられており、ウォークインスルー形式のエレベーターでアプローチし、対岸へ渡ることができます。バリアフリーや通気性に配慮し、安心で快適な空間を目指すとともに、半間接照明による"海上に浮かぶ空中庭園歩廊"をイメージした景観演出なども計画されています。


施工
当社が担当した西側側径間は、長さ120mのプレストレストコンクリート3室箱桁です。2008年3月から支保工の基礎杭工事に着手し、2009年6月に場所打ちコンクリート桁(PC桁)の本体が完成しました。その後、あいの風プロムナードを桁下面に設置しました。
PC桁の製作は海上約50mでの高所作業となるため、日本海特有の強風や雨、雪に対して十分な安全対策を実施するとともに、耐風安定性を確保するための独特な主桁断面形状の寸法精度を確保するために、PC上部工の施工経験が豊富な技術者が高度な計測・出来形管理を行いました。


