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環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」の建設材料技術性能証明を再取得

2021年03月 UP

 当社は、ゼネコン12社(長谷工コーポレーション、青木あすなろ建設、淺沼組、安藤ハザマ、奥村組、熊谷組、鴻池組、五洋建設、鉄建建設、東急建設、東洋建設、矢作建設工業)と共同で高炉スラグ微粉末を10~70%の範囲で使用したコンクリート「CELBIC-環境配慮型BFコンクリート-」の建設材料技術性能証明(GBRC 材料証明 第20-04号)を一般財団法人 日本建築総合試験所より令和3年2月22日付けで再取得しました。 (既取得の建設材料技術性能証明(GBRC 材料証明 第20-02号)のデータの一部を更新したもので、証明内容の変更はありません。)

 「CELBIC(セルビック:Consideration for Environmental Load using Blast Furnace slag In Concrete)」は、循環型社会の形成と地球環境問題の改善に寄与することを目的として、建築のコンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量の約9~63%を削減するコンクリートです。

■環境配慮性について
 高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉における製銑の際に副生されるスラグを微粉砕したもので、水硬性を有しています。高炉スラグ微粉末の製造時に排出される二酸化炭素は、ポルトランドセメントの1/20以下であることから、環境負荷低減のために高炉スラグ微粉末の有効利用が望まれています。 高炉スラグ微粉末は、JIS A5308(レディーミクストコンクリート)においては、混和材料のひとつとして、セメントに置き換えて使用されるコンクリート材料です。一般的には、あらかじめセメント工場などでポルトランドセメントに所定の分量(40~45%)を混合した高炉セメントB種として流通しています。

■CELBICの特長
 CELBIC は、使用する高炉スラグ微粉末の量に応じて、A種クラス、B種クラスおよびC種クラスの3種類に分類されます(表1)。このうち、A種クラスは普通ポルトランドセメントを用いたコンクリート、B種クラスは高炉セメントB種と類似した性能を有しています。C種クラスでは適用箇所が限定されるものの、60%以上の二酸化炭素の排出量を削減することができます。加えて、これら3種類のCELBIC は、いずれも同一の高炉スラグ微粉末を用いることから、生コン工場での材料管理の負担軽減も図れ、各種類の特長を生かした建築物への汎用的な適用が期待されます。

 開発実験の結果を基に、工場の選定やコンクリートの調合設計の方法を定め、実際の生コン工場においてCELBICの製造および実際の部材を想定した施工検証を行い、CELBICの調合設計・施工マニュアルを整備しました。
 CELBICは、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合するコンクリートとして製造・出荷が可能であり、CELBIC研究会への参加13社の責任において施工することとなります。

表1 CELBICの種類の呼び名と高炉スラグ微粉末の使用率、二酸化炭素の削減量および適用部位・部材

表1 CELBICの種類の呼び名と高炉スラグ微粉末の使用率、二酸化炭素の削減量および適用部位・部材

写真1 開発実験で作製した模擬部材試験体の様子

写真1 開発実験で作製した模擬部材試験体の様子

図1 CELBICの建設材料技術性能証明書

図1 CELBICの建設材料技術性能証明書

■今後の展開
 今後は、建築物やそれ以外の鉄筋コンクリート構造物に対しても、環境配慮性を有したCELBICを適材適所への有効活用し、普及展開を目指してまいります。