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ふっ素用重金属吸着マットを開発し、実証試験で効果を確認

2019年01月 UP

当社は、JFEミネラル株式会社と共同で、“ふっ素対応の重金属吸着マット”を開発し、現地実証試験(盛土暴露試験)を行ない、有効性を確認しました。
日本列島はひ素や鉛・ふっ素などの重金属等を多く含む岩石や土壌が広く分布しており、都市圏大規模開発、道路建設、鉄道建設におけるトンネル工事等で大量に発生する自然由来重金属等を含む建設発生土に対して、より合理的な処理方法が求められています。
“重金属吸着マット”(図-1参照)は、現地で重機を使って吸着剤と土を混ぜ合わせて吸着層を作る“吸着層工法”のプレキャスト版として位置づけられます。
その特徴は、吸着剤の均質性と施工性(人力で敷設可能)に優れていることから、確実性が高く、設置費用を安価に抑えることができます。
今回、新たに「ふっ素」について吸着性能の高い鉄系吸着材を使用したマットを開発し、盛土暴露試験により有効性の確認を行いました。

盛土暴露試験は、自然降雨による曝露のもとで評価を行うため、屋外にて実際の工事現場で発生したふっ素を含むトンネルずりを用いて試験盛土を作製しました。重金属吸着マット(1m×2m)を2枚敷設(4 ㎡)して、その上部にふっ素を含むズリを用いた盛土を構築し(図-2参照)、重金属吸着マットを敷設しない比較盛土(ブランク盛土)と比較して吸着効果を確認しました。2017年11月から2018年10月まで約1年間のモニタリングを行いましたが、全ての試験盛土でいずれも、ふっ素用吸着マットを通過した時の浸出濃度が地下水環境基準を満足し、ブランクの浸出濃度よりも10分の1程度低い値となっており、十分な吸着効果があることが確認できました。
当面は、ふっ素含有ずりやふっ素汚染土壌の仮置き時の敷設シートとしての適用を考えており、将来的には、従来の二重遮水工法に代わる安価な封じ込め工法として普及させることを視野にさらに検証していく予定です。