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トンネル発破の低周波音低減装置「サイレンスチューブ」を開発

2015年06月 UP

音響管「サイレンスチューブ」が周辺環境を守ります

当社は、山岳トンネル工事における発破にともなう低周波音の低減装置「サイレンスチューブ」(特許出願中)を開発し、実用化しました。

一般的に山岳トンネルの施工においては、発破による騒音対策として防音扉を設置しますが、低周波音に対しては効果が低いため複数の扉を設置する必要があるなどコストが増大するといった課題がありました。

サイレンスチューブは、開管(両端が開放された管)の共鳴現象による消音効果を利用した消音装置です。防音扉で閉ざされたトンネル坑内にサイレンスチューブを設置することで、特定周波数の音を大幅に低減することができます。

また、本技術は、低減させたい周波数ごとに独立した音響管を組み立てて配置するため、従来の共鳴を利用した消音装置に比べて1本あたりの音響管はコンパクトになり、設置や移設が容易に行えます。

開発では縮尺モデルによる実験で効果の検証を行い、岩手県発注の大船渡綾里三陸線小石浜トンネル築造工事に導入して特定の周波数帯域の超低周波音を5~10dB低減できることを確認しました。

「サイレンスチューブ」の縮尺モデル実験状況

「サイレンスチューブ」の縮尺モデル実験状況

本システムの概要と特徴

サイレンスチューブは、開管の共鳴を利用し共鳴周波数付近の音を低減する技術です。両方の開口から入射する音の波は、管の中で互いに逆位相となり開口部では音が打ち消し合います。このとき、管の延長が1/2波長に相当する周波数に対して最も音圧低減効果が期待できます。

トンネル坑内には、車両通路等を確保した上で、両端の開口から入射する音の波が管の中で逆位相になるように、U字状の音響管を設置することで、

1. 装置は現場で容易に組立可能
建設資材である鋼製型枠など汎用部材を用いて現地で組立・設置ができる。

2. 現場条件に合わせた設置が可能
現場の車両通路の確保など現場条件に合わせて並列配置や上下配置など坑内状況に柔軟対応できる。

3. 組合せで低減効果の増大
発生する低周波音に対応するサイズのサイレンスチューブを組み合わせることで、さらに大きな低減効果が期待できる。

「サイレンスチューブ」のトンネル坑内配置イメージ

「サイレンスチューブ」のトンネル坑内配置イメージ