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高層マンションに自社開発の高引抜き対応型免震装置を適用

2012年11月 UP

錢高組は、仙台市内で搭状比(建物高さの幅に対する比)が4を超える設計施工の高層マンションに、高引抜き対応型免震装置(東京工業大学、前田建設工業との共同開発)を適用し、現在、施工しています。
通常、塔状比の大きなスレンダーな形状の建物を免震構造にする場合、地震時に建物四隅の免震装置に大きな引っ張り力が作用します。積層ゴムを使用した免震装置(積層ゴムアイソレータ)は、圧縮力には強いが、引っ張り力には弱いという弱点があり、この装置による免震建物の場合、積層ゴムに作用する引っ張り力を1平方ミリメートルあたり1ニュートン以下にしなければならないという制約があります。このため高層建物を免震化する場合、従来は積層ゴムの直径を大きくしたり、ダンパー機構を増やすなどの対策が必要でした。

SWCCリング:部品

SWCCリング:部品

SWCCリングの部品

SWCCリングの部品

SWCCリングの組立状況

SWCCリングの組立状況

高引抜き対応型免震装置の概要

今回、開発した高引抜き対応型免震装置は、ゴムリング、ワッシャー、および内部鋼リングから成る「SWCCリング」と呼ぶ特殊なデバイスを、免震装置の取付けボルトとフランジプレートの間に入れることにより、地震時の免震装置の浮き上がりを許容して積層ゴムに作用する引っ張り力を緩和させるものです。
現在、建設中の高引抜き対応型免震装置を適用したマンション(RC造21階建て、延べ約6,367平方メートル、2014年2月竣工予定)は塔状比が約4.6で、SWCCリングを建物四隅の4基の免震装置に採用しました。構造設計では、引っ張り力が複数の免震装置に同時に作用しないように配慮しており、建物に対して斜め45度方向から地震力を受けた場合に隅の免震装置1基だけに引っ張り力が作用する設計としています。

高引抜き対応型免震装置「SWCCリング」の構造

高引抜き対応型免震装置「SWCCリング」の構造

今後の展開

錢高組は、高層免震のコストダウンを図るために「SWCCリング」を自社設計の建物に積極的に提案していきたいと考えております。