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FRP製矢板で直接発進・到達可能な工法を開発

2012年09月 UP

錢高組は、DIC株式会社と共同で、シールド工法や推進工法での鋼矢板立坑にFRP製矢板を使用して直接発進・到達が可能となる工法を開発しました。
近年、柱列式連続壁やRC地中連続壁、ケーソンなど比較的深度の深い立坑での発進・到達は切削可能部材を用いた工法が主流になり、当社においてもFFU部材(ガラス長繊維強化プラスチック)を用いた柱列式連続壁やRC地中連続壁、ケーソン、ライナープレート立坑からのシールド直接発進・到達(SEW)工法を開発し、多くの適用実績があります。 しかし、鋼矢板立坑では、従来通り土留め壁をガス切断する鏡切りという工法が用いられており、この工法では、切羽を開放するため、出水等の危険性があることから、鋼矢板立坑においても安全に発進・到達することが課題となっていました。 また、従来の鏡切り工法では、ガス切断した鋼矢板の根入れ部が地中に残置され、地中障害物となるケースが増加しています。地中に矢板を残置しない施工方法が、現在、求められています。

FRP製矢板による直接発進・到達工法の概要図

FRP製矢板による直接発進・到達工法の概要図

FRP製矢板の形状

FRP製矢板の形状

工法の概要

FRP製矢板による直接発進・到達工法は、シールド機(推進機を含む)が通過する立坑部分にFRPで製作した矢板を設置し、シールド機が直接土留め壁を切削して発進または到達する工法です。これにより、鏡切りが不必要となり、安全性が向上することや発進・到達部の地盤改良が削減でき、コストダウン、工期短縮が図れます。
また、シールド機が通過する根入れ部も切削可能なFRP製矢板を適用することで地中に矢板を残置しない施工方法にも応えることができます。

■ 工法の特徴
1. 特に地下水位の高い地盤では、発進・到達時に出水の危険性が多く、FRP製矢板を利用した発進・到達工法で安全性が向上します。。
2. 発進部、到達部の地盤改良が削減できコストダウン、工期短縮が図れます。
3. 特殊な施工機械を用いずに通常の機械で施工が可能です。
4. シールド機より下側の根入れ部にFRP部材を用いることで将来工事への路線変更等の必要がありません。

FRP製矢板の構造性能確認試験

FRP製矢板の構造性能確認試験

今後の展開

今後は、現場実証実験を行い、施工性を確認するとともに、本工法を有効に活用できる下水道工事等の発進到達立坑へ積極的に提案していきます。