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「LEDを用いたコンクリートの養生監視・制御システム」現場へ適用

2011年05月 UP

-コンクリートの養生状態を光の色で表現-

コンクリートの養生状態を光の色で表現する「LEDを用いたコンクリートの養生監視・制御システム」を福井県で当社施工の山岳トンネルの現場に適用し、良好な結果を得ました。
本システムは、トンネル覆工コンクリートの養生状態を、現場の誰もがLEDの光の色で目視確認することができるため、確実な品質管理が可能となります。現在、大分県で当社施工中の山岳トンネルの現場にも本システムを適用し、施工を進めています。

■ トンネル覆工コンクリート養生の現状と課題
近年の山岳トンネルの工事現場では、トンネル内の換気能力の向上などに伴い湿度が低下し、ひび割れなどの品質上の問題が顕在化しています。
コンクリートのひび割れを防止するためには、養生の温度を一定に保ち、高湿度を確保する必要があります。錢高組では、これまでトンネル覆工コンクリートの養生方法として、トンネル空間内をシート等で仕切り温度変化を小さくし、さらに空間内に微細な粒径のミストを噴霧し、湿度を自動コントロールするミスト養生を行ってきました。具体的には、高湿度を確保するために設定相対湿度(例えば90%)以下になるとミスト噴霧を開始し、設定相対湿度(例えば95%)以上になるとミスト噴霧を停止するという方法です。しかし、養生状態の確認は、工事現場の作業員から目の届かない箇所に配置されがちな温湿度計に頼ることが多く、容易に確認できないといった課題がありました。

ミスト養生の状況

ミスト養生の状況

コンクリート養生状態(温度・湿度)の表示

コンクリート養生状態(温度・湿度)の表示

■ 開発技術の概要
「LEDを用いたコンクリートの養生監視・制御システム」は、養生状態をLEDによる光の色で表示する監視部分と、温度・湿度センサーからの情報をデータ処理し、ミストの噴霧を制御する部分とで構成されています。監視部分には、LEDによる発光機能を有する装置LEC(=Light Emitting Converter)を採用しています。これによって養生状態を誰でも現地で監視できます。
ミスト養生による良好な養生環境を形成し、養生状態をリアルタイムに監視することで、コンクリートの28日目の圧縮強度は、約10%増加しました。

ミスト養生の効果

ミスト養生の効果

今後の展開

当社では、神戸大学の芥川真一教授が主宰するOSV(On Site Visualization)研究会を通じて、「光る計測装置」を様々な現場の用途に適用していきます。