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急曲線シールドのセグメント背面充填「Eバッグ工法」の設計・施工技術を確立
-より安全・確実な大断面・急曲線シールド技術を目指して-
当社は、シールド工事急曲線部の掘進を安全・確実に行うセグメント背面充填「Eバッグ(イーバッグ:Expansion Bag)工法」を2009年に開発、「福岡市・比恵9号幹線築造工事(外径6150mmの泥土圧式シールド工法)」の曲線半径R=40m区間で初適用し、工法の有効性を確認しました。この実績を踏まえて本工法の更なるコストダウンを図るため、性能試験を実施して設計マニュアルを作成しました。
本マニュアルは、最近増加している大断面急曲線シールド工事等で、Eバッグの地山への密着度、ゼグメントピース間の密着度、注入材料配合・注入圧など、Eバッグの各性能を評価し、設計・施工技術として確立したものです。
適用した急曲線シールド工事
Eバッグのセグメント貼付と充填状況
Eバッグ工法の概要
Eバッグ工法は、裏込め材を充填した袋体がセグメントと地山を固定し、シールドマシンの推進力を確実に地山に伝えるとともに、テールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を遮断する工法です。
■Eバッグ工法の充填手順
1. セグメントの外周面に充填用の袋体(Eバッグ)を取り付け、通常のセグメントと同様に組み立てます。
2. シールドマシンが前進し裏込注入孔がテールシールを抜けた直後に裏込注入材を充填し、セグメント外周にドーナツ状の袋体リングを形成します。
■Eバッグ工法の特長
1. Eバッグ工法は、どのようなセグメントにも貼り付けるだけで対応できます。緊急時など工事の状況変化に即応可能であり、かつ経済的な工法です。
2. 地山に密着する確実な裏込注入が可能で、急曲線施工における地盤反力を容易に確保できます。
3. Eバッグがテールシールを抜けた直後に充填され袋体リングを形成するため、裏込注入材の切羽への回りこみ及びテールパッキンからの裏込材や地下水の流入を防止します。
4. 縮径セグメントを用いた場合でも、Eバッグによる早期裏込注入が可能で、曲線部における推進ジャッキの偏荷重によるセグメントの移動を防止します。
Eバッグ工法イメージ
Eバッグ充填手順
今後の展開
今後は、本設計マニュアルを活用し、当社が保有するシールド工事関連技術と合わせて、より安全なシールド工事の施工を行うとともに信頼性のある技術として提案していきたいと考えています。