お問い合わせ サイトマップ Jp En 検索
menu

新着情報

「既存スラブの補強工法」を開発 -リニューアル工事に適用し効果を確認-

2006年03月 UP

当社は、ゼネコン4社メーカー1社と共に開発を進めているスラブ補強工法を、このたび当社東北支店のリニューアル工事で試験的に適用し、施工性、補強効果とも良好であることを確認しました。

■スラブ補強工法の特長
従来、剛性不足やたわみ過大などの障害が生じている既存スラブの補強工法としては、H形鋼による小梁の増設やスラブ下面からの鋼板の貼付けなどが一般的でした。しかし、これらの方法は使用する部材が重く、また、床下に配管等がある場合は一旦これを撤去し、工事完了後に復旧する必要があるなど、施工性に問題がありました。

開発したスラブ補強工法は、対象とするスラブの下面に2本の鋼製の束をたて、スラブの一方の端部から束の頂部を通って反対側のスラブ端部をつなぐようにプレートやPC鋼棒を配置し、PC鋼棒を緊張することによってスラブ補強を行います。使用部材は軽量なものを組合わせており、特殊な工具や大がかりな機材が不要なため低振動、低騒音で施工でき、建物を使いながらでの施工にも対応できます。また、補強部材とスラブの間に間隔があるため、スラブ下の配管の撤去の必要がありません。

■実構造物での施工結果
試験施工を行った建物は1964年に竣工したRC造3階建ての建物で、竣工当時より2、3階のオフィス床載荷荷重が増加したため歩行時の振動がやや過大になっていました。 施工は、あと施工アンカー設置後、補強部材一組を取付けるのに要した時間は1時間足らずで、施工性は非常に良好でした。また、補強部材取付け後は歩行時の振動の振幅が3割減少し、補強効果も確認できました。

今後の展開

本工法の優位性が確認できたことからスラブ補強工法研究会では今後、補強部材の仕様の詳細検討や設計手順の整備を行い、工法の実用化を進めて行く予定です。