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「地震リスク評価プログラム」を共同開発

2003年04月 UP

当社は、青木建設、五洋建設、間組、松村組、構造計画研究所と共同で、パソコンを用いて短時間に建物の耐震性能、耐震補強の効果、地震による建物の損害額を評価できるプログラムEQRES ;エクレス(Earth Quake Risk Evaluation System)を開発しました。

■プログラム開発の背景
阪神・淡路大震災では、1981年の建築基準法改正以前に設計された建物に、大被害を受けたものが多くみられ、旧基準で設計された建物は耐震診断・耐震改修を早急に実施することが望まれています。また、不動産証券化の開始に伴い、投資不動産に関する詳細かつ多角的な調査(デュー・ディリジェンス)の件数が増加しています。地震国である我が国では、デュー・ディリジェンスの調査項目の中で、建物の地震による損害額を算出する地震リスク評価は不可欠な項目です。

■プログラムの特徴
EQRESは、詳細な建物情報が得られない場合でも、建物の構造種別・建築年代を入力することで建物の耐震性能を評価します。また、耐震補強前と後の耐震性能を表すIs値を入力することにより、耐震補強前後の地震リスクの比較ができるので、耐震補強のコストメリットの評価が可能です。不動産取引における地震リスクの指標である予想最大損失率PML(Probable Maximum Loss)※1の評価も可能です。

EQRESは、建物の基本情報を入力すると、建設地点の地震危険度評価、基礎・躯体・設備・仕上げの地震時損失評価、イベントツリー解析※2 による被害の組合せ評価、地震による営業損失評価を行い、年間予想損失額やPMLを算定します。パソコン上で短時間に結果を表示できますので、お客様と対話しながら耐震補強効果や地震リスクを評価することが可能です。

評価シートの出力イメージ

評価シートの出力イメージ

■今後の展開
当社は今後、耐震補強提案やデュー・ディリジェンスに本プログラムを積極的に活用 していく予定です。

※1 PML:最大級の地震(50年間に超過する確率が10%の地震)が発生した場合の、建物の損害額の新築費用に対する割合
※2 イベントツリー解析:発端となる事象に対して、引き続き発生する事象を想定し、それぞれの経路の発生確率を算出する方法。