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「MZプレート構法」が建築技術性能証明を取得

2002年10月 UP

最上階の柱梁接合部の配筋を簡略

当社は、前田建設工業(本社:東京都千代田区、前田靖治社長)と共同で、鉄筋コンクリート造(RC造)建物の最上階柱梁接合部への柱と梁の主筋の定着に機械式定着を用いて配筋の錯綜を改善できるMZプレート構法を共同開発し、この度、財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。

■従来工法の問題点
RC造建物の最上階の柱主筋は、先端に折り曲げフックを設けて柱梁接合部内に定着する必要があり、建物外周の柱(外柱)では、柱梁接合部にL型等に折り曲げた梁主筋も定着しなければなりません。建物の角部の柱(隅柱)では二方向の梁主筋を定着しなければならないため、柱梁接合部内の配筋はかなり錯綜した状態となります。また、折り曲げた鉄筋の配筋は作業性が悪く、コンクリートの充填施工にも手間がかかります。

従来工法

従来工法

■既往の機械式定着工法の問題点
既に、主筋の端部に機械式定着具を用いた定着工法が開発され、高層RC造集合住宅等に広く採用されています。しかしこの工法では、最上階の柱主筋に用いる場合、必要定着長さを確保するために屋上階のスラブ上に柱型の突出部を設ける必要があります。また、最上階の梁の上端主筋に対しては適用範囲外であるために、従来どおり梁主筋をL型に曲げ下げ、先端を柱の中まで伸ばして定着しなければなりません。そのため、柱・壁などの垂直部材のコンクリートを先行打設したり、梁下面までのプレキャスト柱が使用できませんでした。

既往の機械式定着工法

既往の機械式定着工法

■MZプレート構法の特長
MZプレート構法は、従来の主筋先端に設ける折り曲げフック定着に替えて、機械式定着具を梁主筋だけでなく、柱主筋先端に取り付けることで最上階の柱梁接合部内の配筋を簡素化しています。梁上端主筋の定着金具には、L型の連結プレートを用い、これを介して梁の上端主筋と柱主筋を締結しています。

MZプレート構法の主な特長をまとめると以下のようになります。

1. 機械式定着の必要定着長さは折り曲げ定着より短く、柱梁接合部内で十分に定着できます。
2. 屋上階に柱型を突出させる必要がありません。
3. 柱主筋および梁主筋の必要定着長さが柱梁接合部内で収まるため、柱のコンクリートの先行打設や、部材のプレキャスト化が可能になります。
4. 柱、梁部材のすべての主筋を直線材とすることができ、配筋の施工性が向上します。

■今後の展開
今後、当社はこれらの特長を生かし、MZプレート構法を自社設計に積極的に採用するとともに、設計事務所などにも提案していく方針です。

MZプレート構法

MZプレート構法