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「大阪中之島美術館」が日建連表彰第66回BCS賞を受賞

当社施工の「大阪中之島美術館」が日建連表彰第66回BCS賞を受賞しました。
BCS賞は、「優秀な建築物を作り出すためには、デザインだけでなく施工技術も重要であり、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要である」という考えに基づいて1960年に創設され、文化の進展と地球環境保全を寄与することを目的に国内の優秀な建築作品を表彰する賞です。
工事概要
施設名 | 大阪中之島美術館 |
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契約先 | 大阪市 |
設計・監理 | 遠藤克彦建築研究所 大阪市都市整備局 |
工事場所 | 大阪市北区中之島 |
完成年月 | 2021年6月 |
施工 | 錢高・大鉄・藤木特定建設工事共同企業体 |
美術館建設の構想は、約40年前の1983年に大阪市制100周年記念事業基本構想の1つ(近代美術館)として始まり、準備室を立上げ、その後の大きく厳しい社会変化を乗り越えて、2022年2月2日大阪中之島美術館が開館しました。この新たな文化芸術拠点は、外観が「緑豊かな歩行者デッキに浮かぶシンプルな黒い箱」という姿で、超高層建築が立ち並ぶ中之島の新たなシンボルとなっています。隣接する国立国際美術館や大阪市立科学館(いずれも当社施工)をはじめとした周辺の施設とともに、中之島の文化芸術エリアの更なる充実に寄与することが期待されています。
大阪中之島美術館の主たる特長
1.都市に開かれた美術館
エントランスや通路、展示空間を兼ねたロビー空間である「パッサージュ」の多くは無料のスペースで、1階から5階まで連続する市民のための空間になっています。これにより都市と展示室がシームレスに接続されています。
2.美術品保護と省エネルギーの両立
美術品保護の観点より、24時間365日の厳格な温湿度管理が求められました。中之島の立地を生かし、河川水熱を利用した地域冷暖房システムを採用すると共に、熱源2種類(電気・ガス)と水蓄熱槽でバックアップし、非常用発電機が停電に備えています。これらの取り組みにより、大阪市の環境性能評価制度「CASBEE大阪みらい」においてSランクを実現されています。
3.日本初の美術館PFI事業(コンセッション方式)による先進的な運営
大阪の都市魅力を世界に発信する施設として、民間の知恵を最大限活用しながら、顧客目線を重視し利用者サービスに優れたミュージアムを目指して、PFI法における公共施設等運営事業「コンセッション方式」を、日本の美術館として初めて導入されています。

歩行者デッキにより2階レベルで隣地と接続された公共歩廊

通り抜けが可能なパッサージュ(1階)

1階と2階をつなぐパッサージュの大階段

エスカレーターが交差するパッサージュ吹抜け(4階)

隣接する国際美術館の背景となる黒い外観

パッサージュのかたちが外観として現れる夜景