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ZENITAKA Topics

橋ものがたり

東北新幹線 三内丸山架道橋

2018年02月 UP

三内丸山架道橋は、東北新幹線八戸駅と新青森駅間に位置する橋長450mの4径間連続PCエクストラドーズド橋です。国道7号青森環状道路と沖館川を跨ぐ150mの支間長は、国内のコンクリート橋では最大で、新幹線橋としても最大となります。

三内丸山架道橋は、2008年度土木学会田中賞(作品部門)を受賞しました。田中賞は、社団法人土木学会が設けている土木学会賞のひとつで、当賞(作品部門)は、橋梁等構造物の計画・設計・制作・施工・維持管理などのすぐれた特色を有すると認められる作品に対して贈られるものです。

完成全景

完成全景

工事概要

橋名 東北新幹線 三内丸山架道橋
施工場所 青森県青森市
発注者 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 東北新幹線建設局
設計 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 東北新幹線建設局、株式会社 千代田コンサルタント
工期 2005年3月18日~2008年12月15日
橋長 450m
支間長 75m+150m+150m+75m
構造形式 4径間連続PCエクストラドーズド橋

構造 Structure

橋梁基礎はニューマチックケーソン工法により構築しました。ニューマチックケーソン工法は、作業室内に圧縮空気を送り、周辺からの水の浸入を防ぎつつ、掘削・基礎部の構築を繰返しながら所定の深度まで掘り進めて基礎を構築する工法です。
架橋地点に隣接して国特別史跡の三内丸山遺跡があり、環境調和の観点からできるだけ圧迫感が少ない構造形式が求められました。また、橋脚設置位置の規制条件などから長スパン化に対応する必要がありました。そのような背景から、高さを抑え長スパンに対応できるエクストラドーズドPC橋が採用されました。
エクストラドーズドPC橋は、主塔と斜材により主桁を支える橋梁形式で、長スパンにも対応でき、景観性に優れており、日本国内で数多くの実績があります。

施工 Construction

■埋蔵文化財調査と基礎の施工
施工に先立ち、橋脚部の埋蔵文化財調査が行われました。その後、約1年かけてニューマチックケーソン工法による3基の基礎および橋台部を施工しました。

左:ニューマチックケーソン 右:基礎の施工状況

■ワーゲン組立て開始
2006年10月に橋脚最上部で「やじろべえ工法」に用いる移動作業車(ワーゲン)の組立てをしました。

移動作業車組立て

■張出し施工(やじろべえ工法)
2006年11月に張出し施工が始まりました。主桁は左右のバランスをとりながら2.4m~4.0mごとに張出し施工していきます。ワーゲン移動、型枠組立て、コンクリート打設、プレストレス導入を繰り返しながら進めていきました。1ブロック2週間の工程で張り出し、2ブロック目の張出完了後、斜材が貫通固定する主塔の施工を開始しました。

張出し架設開始

■斜材取付けと中央閉合
斜材(PC鋼線)は、主桁が2ブロック先行施工した状態で順次配置し、プレストレスを導入します。約半年をかけて3箇所の橋脚から張出し施工を行い、2007年8月に国道7号線上空部分の架設を完了、同年12月には中央径間を閉合しました。国道7号線青森環状道路は、東北自動車道青森インターに近く交通量も多いため、国道上空の架設には細心の注意を払いました。

張出し施工

中央径間閉合

中央径間閉合

国道7号線上空での架設

完成