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ZENITAKA Topics

橋ものがたり

ラオス国 ヒンフープ橋

2018年02月 UP

ヒンフープは、世界遺産登録の古都ルアンパバーンと首都ビエンチャンの間に位置しています。
ヒンフープ橋は、北は中国、南はカンボジアにつながるラオス最長の重要幹線道路である国道13号線の橋です。工事は日本の無償資金協力事業によって行われ、当社として初めてのラオス国でのプロジェクトです。

内陸国であるラオスでは輸送のほとんどを道路輸送に依存していますが、旧橋は幅員が狭く、通行量が制限されていました。また、1939年の建設以来、大規模な改修がされておらず、落橋の危険をはらんでいました。

2010年1月、2年4ヶ月を経てリック川に新しい橋と舗装道路が完成しました。
1月28日に行われた開通式にはトンルン・ラオス副首相兼外務大臣、宮下正明特命全権大使をはじめ、多くの関係者が参加し、2頭の象を先頭に現地の人々による渡り初めが行われました。
ヒンフープ橋は、ラオス国内で初めての施工となる押出し架設工法を採用しました。当社の橋梁技術をラオス国およびラオス人エンジニアに技術移転することにより、国際貢献の一端を担えたことを光栄に思います。

国道13号線

位置図

工事概要

橋名 ヒンフープ橋
発注者 ラオス国政府運輸・公共事業省
設計者 オリエンタルコンサルタンツ
日本工営コンソーシアム
施工者 錢高組
工期 2007年9月11日~2010年3月15日
構造形式 PC5径間連続箱桁橋
橋長 195m
支間長 30m+45m+45m+45m+30m

ラオスで初めての橋つくり ~ラオス国ヒンフープ橋工事~

開通式

渡り初め

完成写真

両国友好記念モニュメント

構造 Construction

ヒンフープ橋は、下部構造は直接基礎、小判型橋脚、箱式橋台、上部構造はプレストレストコンクリート構造の等断面一室箱桁です。

施工 Construction

雨季と乾季で14mもの水位差があるリック川でスムーズに工事を進めるため、上部工事はPC桁押出し工法を採用しました。
押出し工法は、主桁の先端に手延べ桁(鋼製)を取付け、橋台後方の製作ヤードで製作した桁を架設用PCケーブルで一体化させながら前方に押出して桁を架設する工法です。
安全で、天候や河川の水位に左右されずに作業できる工法ですが、広い製作ヤードが必要なため、日本国内でも施工例が少ない工法です。
工事は2007年10月に着工し、最初の乾季(12~4月)の間に一気に下部工を施工しました。
上部工の押出し架設は、195mの桁を19ブロックに分割し、桁を製作します。1ブロックずつPC箱桁を製作し、橋台を反力にしたジャッキで引っ張ることで支承上を1時間に2.5m程度押し出され、約4時間で1ブロックの押出しが完了します。
最終的には手延べ桁とPC箱桁で約4,300tとなる躯体を、2台の油圧ジャッキで押し出します。押出し中は箱桁と仮支承の間にテフロン板(滑りやすい板)を挿入することで小さな水平力で押し出すことができます。

施工中は、現地を訪れた日本人旅行者の方や、現地に住む日本人小学生と父兄の方々が現場見学に訪れるなど、多くの方から温かい激励を頂きました。
また、現地の大学生が現場研修に訪れ、約1ヶ月一緒に仕事をしながら技術指導を行うなど、親睦を深めることができました。

下部工

桁製作ヤード

支承の盛替え作業

2008年12月

2009年3月

現地小学生の現場見学