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100年を超える耐久性を実現する「躯体長寿命化システム」を構築

2002年09月 UP

当社はこのたび前田建設工業と共同で、更新性配慮型集合住宅(SI住宅)の100年を超える耐久性を実現する「躯体長寿命化システム」を構築しました。

■開発の経緯
これまでの通常の集合住宅では、20~30年といわれている内装材や設備の寿命によって、構造躯体が丈夫でも建物として機能しなくなり建替えを余儀なくされることがありました。
 SI(スケルトン・インフィル)住宅とは、スケルトン(skelton:構造体・共用設備)とインフィル(infil:内装・専用設備)を明確に分離し、住まい手のライフスタイルの変化に応じて間取りや内装を変えやすくした住宅のことで、長期のライフサイクルにおける経済性と、地球環境保全のために消費型社会から節約型・蓄積型社会への変換を果たす為の方策としても注目されています。

このたび開発したシステムは、このSI住宅を構成する構造躯体を対象に、100年以上の高耐久性を実現する為のシステムです。

■本システムの概要
・躯体長寿命化システムは、建設時においては、以下の手順で対策技術を実施します。

1. 部位別・劣化現象ごとの品質目標レベルを選定
2. 設計計画時の対策技術を設計仕様に織り込む
3. 施工時の対策技術を確実に実施する

・運用段階においては、建設時の対策技術が確実に実施されたことを前提に、竣工後10年間のモニタリングを行います。

竣工後1、2年時 :異常が発生していないことを、目視とヒヤリングで確認します
竣工後10年時:ソフトコアリングによる定量データを用いて、その時点において90年後(竣工後100年)の品質目標レベルが実現出来るか否かを判断します
地震被災時:震度4以上の被災時に行うもので、耐久性に影響を及ぼすような損傷の有無を確認します

いずれの場合にも、判断基準を超えた異常が発見された場合には、適切な補修を行うことで、目標品質レベルを確保します。

なお、このシステムは宇都宮大学工学部の桝田佳寛教授の指導を得て開発したものです。

■今後の展開
試算によると、本システムの採用による初期建設コスト増は1戸当たり10万円程度になる見込みですが、100年を超えるライフサイクルを考慮すると十分なメリットが得られると思われます。今後は本システムを積極的に営業へ展開してゆく予定です。

図-1 躯体長寿命化システムの構成

図-1 躯体長寿命化システムの構成

表-1 対象部位と対象劣化現象

表-1 対象部位と対象劣化現象

図-2 躯体長寿命化システムのイメージ

図-2 躯体長寿命化システムのイメージ

表-2 躯体長寿命化システムのイメージ

表-2 躯体長寿命化システムのイメージ

表-3 劣化現象ごとのモニタリング方法(1、2年時検査)

表-3 劣化現象ごとのモニタリング方法(1、2年時検査)

表-4 劣化現象ごとのモニタリング方法(10年時検査)

表-4 劣化現象ごとのモニタリング方法(10年時検査)