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工事レポート

南三陸町役場本庁舎・歌津総合支所

2018年05月 UP
南三陸町役場本庁舎・歌津総合支所

南三陸町役場本庁舎外観

東日本大震災から6年半。全壊した南三陸町役場の新庁舎が完成し、2017年9月3日に開庁しました。この建物は南三陸町産の杉材や再生木材を構造材や仕上げ材、家具等に豊富に使用しており、地中熱を利用した空調システムの導入と自然採光の有効利用でランニングコストをおさえ、CO2の排出量も削減した、人と環境に優しい建物です。

工事概要

施工場所 宮城県本吉郡南三陸町志津川【本庁舎】、歌津【支所】
発注者 宮城県南三陸町
設計者 株式会社 久米設計
工期 2016年2月~2017年8月
構造 RC造、S造、W造
規模 地上3階建て【本庁舎】、地上1階建て【支所】
建築面積 2,657m2【本庁舎】、1,392m2【支所】
延床面積 3,773㎡【本庁舎】、1,299㎡【支所】
 

位置図

歌津総合支所外観

公共建築として初めての『FSC®全体プロジェクト認証』を取得

南三陸町役場本庁舎と歌津総合支所は共に、我が国の公共建築としては初めての『FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)全体プロジェクト認証(FSC-P001678)』を2017年8月30日付で取得しました。
『FSC® FM(Forest Management、森林管理)認証』とは、持続的な木材資源調達を可能にするために、社会的・経済的・環境的に適切な管理がなされている森林を認証するものです。建設プロジェクトが『FSC®全体プロジェクト認証』を取得するためには、使用される木材原料・製品の費用または体積の50%以上が森林認証材、その他の木材原料・製品が管理木材またはリサイクル材でなければなりません。
南三陸町は新しい街の産業振興のシンボルとして地元産杉木材の品質PRに尽力されており、「FSC® FM認証」木材は豊富に入手出来ましたが、定められた規準に従って適切に扱える業者が不足していました。そこで本プロジェクトでは、加工、運搬、また現場の施工技能者までを含め、FSC®認証材料の取扱いについての理解を全員が身に付けた上で施工にあたりました。その結果、2017年9月3日の開庁式において、南三陸町の佐藤仁町長に認定証が手渡されました。
※現在、世界では1分間に東京ドーム2個分の森林が減少し、水産資源の約20%が過剰漁獲の状態にあると言われています。持続可能な社会実現のために単に資源消費を抑制するだけでなく、地球の生態系に配慮し、計画性をもって管理、生産された製品を消費者に選んでもらうことで自然の恵みを上手に利用していく仕組みにはFSC®以外にも、「MSC(海洋管理協議会)」、「ASC(水産養殖管理協議会)」、「FairWild(野生の植物などの適切な採集とその取引)」等があり、私達の暮らしに身近なものとなりつつあります。

議場【本庁舎】

マチドマ(「交流・協働」空間)【本庁舎】

和室・廊下【支所】