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IoTによる山留め壁変位管理システムを実用化

2021年09月 UP

 当社はTDK、計測技研と共同で、IoTによる山留め壁変位管理システムを構築し、現場実証実験により実用化に目途をつけました。
 従来の山留め壁変位計測システムは、傾斜計で読み取ったアナログデータを、スイッチボックスでデジタルデータに変換し、データロガーに保存後、パソコンとアクセスポイントを介してサーバーへ送信します。このため、機器同士は有線で接続して安定性を確保する必要がありました。また、多くの機器を必要とし、配線の手間が掛かるという課題がありました。
 一方、近年のIoTセンサ技術の進展は目覚ましく、あらゆる場面で品質管理や生産性向上に活用されています。そこで、山留め壁変位計測のIoT化として、超高精度3軸MEMSセンサを用いたTDKの「デジタル式傾斜計」と「無線モジュール※」を用いて、簡便な山留め壁変位管理システムを構築しました。これにより、計測データはデータロガー等の計測機器や地上配線を経ることなく、直接クラウドサーバーへ送信され、必要に応じて管理状況をリアルタイムにデジタルサイネージ上にも自動表示することが可能となりました。
 今回構築したシステムは、従来の有線式と同程度の計測精度で6ヶ月間安定して計測でき、システムの設置・撤去時間を約50%削減できることが、実証実験により確認できました。
 今後、3社はこの実証実験で得られた知見を基に、切梁軸力、グラウンドアンカー反力、地盤沈下量、地下水位等のモニタリングも含めた山留め管理システムを構築し、更なる現場の管理業務の効率化および安全性向上に役立てる予定です。

IoTによる山留め壁変位管理システム

IoTによる山留め壁変位管理システム

※920MHz帯無線モジュールで、Wi-Fi(2.4GHz帯)と比較すると、通信速度は遅いが、通信距離は長く、電波の回り込み特性が良い。