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パイプクーリングのリアルタイム制御システムを現場適用

2020年03月 UP

当社は、株式会社ソーキの無線式温度監視システム(通称:キュアテンフォメーション)を活用し、マスコンクリートの温度応力解析結果(温度履歴)に沿ったひび割れ抑制が可能なパイプクーリングのリアルタイム制御システムを構築し現場適用しました。

1.背景
パイプクーリングは、マスコンクリートのひび割れ抑制工法として広く用いられています。しかし、その適正な運転管理には多くの手間がかかるといった課題があります。そのため、運転管理を容易に行うことができるシステムの構築が望まれていました。

2.リアルタイム制御システムの概要
制御システムは、キュアテンフォメーションを用いて構築しました。事前の温度応力解析によりコンクリート温度履歴の管理幅を設定し、その幅を超えないようにクーリング水の水温と流量をリアルタイムで遠隔制御します。コンクリート温度やクーリング水温、流量等の計測データは、920MHz無線やWi-Fi電波を使いパソコンやタブレット端末などに送信し、事前解析データとリアルタイムに対比させます。コンクリート温度が管理幅を超えた場合や、システム故障・停電が発生した場合には担当者、関係者にメールで異常を知らせます。制御システムの導入によってパイプクーリングの適正な運転管理が省力化できるほか、不具合や異常発生時に素早い対応が可能になります。

3.今後の展開
東北地方整備局発注の東北中央自動車道阿武隈川橋上部工工事で主桁柱頭部のマスコンクリートに適用し、システムの効果を確認しました。運転管理の省力化とともに、目視によるひび割れ調査では、有害なひび割れは確認されず十分なひび割れ抑制効果が得られました。今後はクーリング水の水温、流量調整に関するブラッシュアップを行い、ボックスカルバートやケーソン等の工事にも活用していきます。

パイプクーリングのリアルタイム制御システム概要

パイプクーリングのリアルタイム制御システム概要

コンクリート温度の制御イメージ

コンクリート温度の制御イメージ

温度解析結果(温度分布)の一例

温度解析結果(温度分布)の一例