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大開孔基礎梁工法を共同開発

2018年04月 UP

既製の開孔補強金物を使い基礎梁せいを開孔径の2.5倍に

当社は、鉄筋コンクリート造の基礎梁に経済的に開孔(貫通孔)を設けるための工法「大開孔基礎梁工法」を開発、このほど、一般財団法人日本建築総合試験所から、同工法の建築技術性能証明を取得しました。

鉄筋コンクリート造建物の基礎梁に点検用の人通孔(通常径 600 ㎜~750 ㎜)等の開孔を設置する場合、日本建築学会の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」を適用し、通常、梁せい(高さ)を開孔径の 3 倍以上とします。このため、例えば、基礎梁に 600 ㎜径の開孔を設ける場合、基礎梁せいを 1,800 ㎜以上にする必要があります。しかし、基礎梁せいが開孔径の 3 倍以下でも、適切に開孔周囲を補強することで構造上必要とされる所定の耐力を確保していることを実証できれば、梁せいと開孔の比の制限を緩和することができます。そこで 5 社は、開孔径に対し、構造上必要な耐力を確保しながら、基礎梁せいを2.5 倍に低減できる、大開孔基礎梁工法を共同開発しました。

本工法は、簡易に施工できるコーリョー建販製の開孔補強金物「ダイヤレン」を使うと共に、開孔周囲を補強する補強筋(開孔上下補強筋、孔際補強筋、水平補強筋)を配筋することで、構造上必要な耐力を確保します。構造性能については、実物の 1/2 のスケールの試験体に、300 ㎜径程度の開孔を設置し、コンクリート強度と開孔周囲を補強する補強筋量を違えて8体の試験体の加力実験を実施、開孔部のせん断耐力を測定しました。その結果、開孔径とコンクリート強度、補強筋量の相互関係が明らかになり、300 ㎜径の開孔に対し、2.5 倍の基礎梁せいでも、構造上必要な耐力を確保できる設計式を構築することができました。構造上必要な耐力とは、大地震時に基礎梁が所定の構造性能を維持し、かつ開孔が基礎梁破壊の原因にならないということです。この設計式に基づき、基礎梁せいを開孔径の 2.5倍に抑制することにより、基礎部の掘削土量や基礎梁のコンクリート量を削減できるため、コスト削減や工期短縮も見込めます。

今後、基礎梁せいが 1,500 ㎜程度となる病院やオフィスなどの中低層建物に、大開孔基礎梁工法を提案していきます。

開孔周囲配筋仕様

開孔周囲配筋仕様

なお、本工法は、清水建設株式会社、株式会社鴻池組、東急建設株式会社、コーリョー建販株式会社との共同開発です。