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シールドマシン内から障害物を確認できる前方磁気探査工法を初施工

2013年09月 UP

-春吉3号幹線築造工事におけるシールド工事-

「春吉3号幹線築造工事」(施工:錢高・日本国土・羽野建設工事共同企業体)において、シールドマシン内から前方の障害物を確認できるシールド前方磁気探査工法を初めて適用し、掘進路線の障害物位置を高精度に確認して無事に再発進を完了しました。
同工事は、福岡市中心部天神地区の雨水整備事業の一部として天神駅近くの今泉公園から、外径Φ2910mm、掘進延長953mの交通量の多い狭小な道路下を土被り6.0~9.0mで掘進するシールド工事です。
今回、交通量の非常に多い交差点部での試掘から残置鋼矢板や残置コンクリート版等の障害物が複数確認されました。しかし、地上からの探査では一部の箇所しか確認できず、全てのエリアをカバーする探査は不可能でした。そこで、当社が共同開発したシールドマシン内から障害物を確認できるシールド前方磁気探査工法を採用しました。
本工事の探査では、残置鋼矢板の根入れ長さはシールドマシンから約700mmの離隔があること、掘進路線の交差点付近の全エリアで障害物は存在しないことが確認でき、無事に通過しました。今回の現場施工により、本工法の探査精度、施工性、地上から探査できない箇所もカバーできる有効性が確認できました。

シールド内からの前方磁気探査

シールド内からの前方磁気探査

シールド前方磁気探査工法の概要と特長

今回適用したシールド前方磁気探査工法の手順は、以下の通りです。
1. マシン内に設置した小型削孔機により削孔径Φ45mmで15m削孔し、孔壁を防護後に鋼製管を引抜く。
2. 磁気探査に反応しないステンレス管で再削孔する。
3. 磁気探査棒を挿入して磁気探査を行う。

シールド前方磁気探査のイメージ

シールド前方磁気探査のイメージ

本工事ではこれを掘進路線上部の3本から実施し、障害物の有無及び位置を確認しました。
これまでのシールドマシン内からの磁気探査には、シールドの面板に磁気探査レーダーを設置する技術がありましたが、探査領域が前方約2mと短く障害物発見時にそれを回避することが困難なことから、(株)錢高組、日本物理探鑛(株)の2社で2010年に本工法を開発しました。

本工法の特長は、以下の通りです。
■障害物を回避可能な位置での高精度な探査が可能
使用する削孔機は最大20mまで削孔が可能なことから障害物発見時に回避する施工が可能です。
■小さなシールドマシンでも探査可能
小型の削孔機を使用しているため2.5mクラスまでの小さなシールドでも探査可能です。
■工期的に有利
探査時間は30分程度で、磁気探査解析も1日で完了でき、障害物の探査で長期間マシンを停止することなく探査できます。