お問い合わせ サイトマップ Jp En 検索
menu

新着情報

柱列式連続壁(SMW)工法の発生汚泥を減溶化

2010年09月 UP

-環2地下トンネル築造工事-

当社は、東京都建設局発注の環2地下トンネル築造工事(錢高・大日本・アイサワJV)の柱列式連続壁(SMW)の構築において、発生する掘削泥土を砂・礫、脱水ケーキ、水に分離して産廃量の低減およびCO2の削減等の環境負荷の軽減に取組み、発生泥土の40%の減容化を達成しました。
柱列式連続壁(SMW)工法は、本工事のような開削トンネルを始め土木・建築の山留め掘削工法として多く採用されています。
SMW工法で発生する掘削泥土は、セメントが混入して泥状化していることから現場での処理が難しく、掘削泥土のすべてが汚泥として産廃処理されていました。当社ではこの課題に対して泥水シールドでの泥土や泥水処理技術をふまえたSMW工法での処理システムを構築し、泥土の減容化(産廃量の削減)、コストダウンを検証、実用化しました。

減容化処理プラント

減容化処理プラント

砂・礫(右)と脱水ケーキの仕分け

砂・礫(右)と脱水ケーキの仕分け

泥土減容化の概要

当工事で採用した処理技術は、泥水シールド工事で実施している発生土処理システム(振動フルイ、フィルタープレス)と、高濃度泥水処理を目的として既に開発・実用化した「高性能凝集剤アクアセパレート(溶液型、粉末型)」による水処理工程を組合せることで、SMW工法の発生泥土の減容化を行うものです。

■ 減容化の計画
1. 実施に先立ち現場発生土を用いて、発生土の物性値を把握し、ふるい分試験及び凝集試験等により「減容化の効果」を確認します。
2.上記の各種試験結果に基づき、実工事における処理能力の検討とプラントの計画を行います。プラントの計画には振動フルイによる1次処理と高性能凝集剤アクアセパレートを用いた水処理施設(2次凝集処理)、さらにはフィルタープレスによる3次処理と濾水の濁水処理施設を設けます。

■ 減容化の手順
1. 比重1.7~1.8のSMW工法の発生泥土を泥土槽にて比重1.4~1.5に調整します。
2. 比重を低減した泥土を1次処理機(振動フルイ)に送り砂・礫を回収します。
3. 砂・礫を回収した後のスラリーを水処理施設の調整槽に送り、アクアセパレートを添加して細粒分の凝集効果を高めます。
4. 2次(凝集)処理したスラリーを3次(脱水)処理機(フィルタープレス)に送り、脱水ケーキと処理が必要な濾水に分離します。ここで分離した脱水ケーキは平ダンプで場外搬出します。
5. 濾水を濁水処理機に移送してpH及び濁度を基準値内に調整し場内で有効利用します。

■今後の展開
当実績をふまえ小規模で効率の良い減容化システムを構築するとともに、湖沼やダムの浚渫、場所打ち杭や地盤改良の泥土処理、泥土圧シールドの汚泥処理の減容化など、環境に優しい施工に取り組んでいきたいと考えています。

SMWの発生泥土(処理前)

1次処理の砂・礫

3次処理の脱水ケーキ

脱水後の濾水