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大規模土留め欠損部を「光る変位計」で安全管理

2010年02月 UP

-三田線御成門・内幸町間環状第2号線ほか交差部建設工事-

当社は、「三田線御成門・内幸町間環状第2号線ほか交差部建設工事」(施工:錢高・大日本・アイサワ建設共同企業体)において、神戸大学 芥川真一教授と北斗電子工業株式会社(兵庫県西宮市、中野浩一社長)が共同開発した「光る変位計」を、開削トンネル工事の大規模土留め欠損部の安全管理に適用しました。
「光る変位計」は、発光ダイオード(LED)を装着した変位計測装置で、変位量に応じて光の色が青、シアン、緑、黄、赤の5段階に変化します。
近年、都市部の開削トンネル工事では、輻輳した地下埋設物により土留め壁が造成できない欠損部が多く見られます。本工事は、共同溝や地下鉄の上部に直交する道路トンネルを構築するもので、幅約12mの土留め欠損部を約9mの深さまで掘削する必要がありました。
この土留め欠損部は、共同溝や地下鉄の上部に高圧噴射の地盤改良で築造されましたが、一般的な土留め壁とは異なり、不安定な状態となることから変位を測定する多段式傾斜計を地盤改良内に設置しました。
しかし、これら現場で測定した傾斜計データは事務所で処理されるため、現場にいる作業員は土留め欠損部の変位状況を直接把握することができないという課題がありました。そこで、作業員が現場で土留め欠損部の変位状況を常時目で確認できるようにするため、「光る変位計」を土留め欠損部と中間杭(不動点)の間に設置し、2点間に生じる変位を光で表示することにしました。さらに、作業員が土留め欠損部まで行かなくても監視できるように、出入り口付近にも「光る変位計」と連動したモニター用LEDを設置しました。

安全状況の「見える化」

安全状況の「見える化」

出入口に設置のモニター用LED

出入口に設置のモニター用LED

現在、土留め欠損部の掘削は深さ約7mまで完了し、欠損部の変位は約2mmで、「光る変位計」はシアン色を示しています。作業員からは、目で欠損部の安全状況が確認できるので安心して作業ができると評判は良好です。

光る変位計

光る変位計

今後の展開

神戸大学の芥川教授が主宰するOSV(On Site Visualization)研究会(2010年1月9日設立)では、今後様々な用途や目的に合わせた「光る計測装置」を検討されています。当社では、山岳トンネル工事の地山変状や、土留め掘削工事の切梁軸力の変状等に「光る計測装置」を適用するとともに、より一層安全管理を徹底していきます。