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シールド工事のセグメント背面充填工法「Eバッグ」を開発

2009年10月 UP

-大断面・急曲線シールド(比恵9号幹線)で実施-

当社は、シールド工事の急曲線部等で問題となるセグメント背面の充填を安全・確実に施工する「Eバッグ(イーバッグ)工法」を開発し、現場に適用しました。
最近のシールド工事では、大断面シールドにおいても急曲線施工が多く、特に余掘りが大きくなった場合や縮経セグメントを適用した場合にセグメントと地山との隙間(テールクリアランス)が大きくなり、「真円にセグメントが組みにくい」、「裏込注入材がテールから坑内へ流入する」、「シールド機推進に必要な地盤反力の確保が難しい」等の問題が発生し、異常出水や土砂の流入が生じる場合もあり、安定した掘進には確実なセグメント背面の充填が重要な課題となっていました。

Eバッグ工法は、セグメント背面充填膨張袋(Eバッグ:Expansion Bag)でセグメントと地山を固定し、シールドの推進力を確実に地山に伝えるとともに、テールパッキンからの裏込注入材や地下水の流入を遮断する工法です。
今回、福岡市の「比恵9号幹線築造工事」(外径6150mmの泥土圧式シールド工法)の曲線半径R=40m区間でEバッグ工法を適用し、効果を確認しました。

適用した急曲線シールド工事

適用した急曲線シールド工事

Eバッグ充填状況

Eバッグ充填状況

Eバッグ工法の概要

■ Eバッグ工法の充填手順
1. セグメントの外周面に充填用の袋体(Eバッグ)を取り付け、通常のセグメントと同様に組み立てます。
2. シールド機が前進し裏込注入孔がテールシールを抜けた直後に裏込注入材を充填し、セグメント外周にドーナツ状の袋体リングを形成します。

裏込注入材は袋内で加圧され、地山に密着してセグメント背面を確実に充填し、裏込注入材の切羽へのまわり込みやテールシール位置での散逸を防ぎます。さらに、次工程でEバッグ間に注入する裏込注入材も前方への流出が防止され、全体として歩留まりが良い裏込注入が可能となります。

Eバッグ充填手順

Eバッグ充填手順

■ Eバッグ工法の特長
1. Eバッグ工法は、いつでも、どこでも、どのようなセグメントにも、Eバックを容易に取り付けすることができ、事前に計画が無い緊急時の対応も容易で、他の工法と比較して大変経済的な工法です。
2. 裏込注入材の散逸を防ぎセグメント背面を確実に充填します。このため、急曲線施工における地盤反力を容易に確保できます。
3. Eバッグがテールシールを抜けた直後に充填し袋体リングを形成するため、裏込注入材の切羽への回りこみ及びテールパッキンからの裏込注入材および地下水の流入を防止します。
4. 縮径セグメントを用いた場合でも、Eバッグによる早期裏込注入が可能で、曲線部における推進ジャッキの偏荷重によるセグメントの移動を防止します。

■今後の展開
今後は、本工法の施工実績を積み重ねるともに、当社が保有するシールド工事関連技術と合わせて提案を行い、工事の受注拡大につなげたいと考えています。

Eバッグ工法イメージ

曲線部の施工イメージ