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「高強度コンクリートの爆裂抑制技術(FPC工法)」が建築技術性能証明を取得

2004年04月 UP

RC造部材の耐火性能を向上

当社は、安藤建設、淺沼組、鴻池組、鉄建建設、東亜建設工業、長谷工コーポレーションおよび三井住友建設との計8社からなる研究会(FPC工法研究会)において、財団法人日本建築総合試験所より、2004年3月2日付けで高強度コンクリートの爆裂抑制技術(FPC工法※1)の建築技術性能証明※2(性能証明 第03-15号)の認証を取得しました。
FPC工法は、鉄筋コンクリート造(以下RC造と略す)の柱部材に使用する高強度コンクリートにポリプロピレン樹脂粉末を1~3kg/m³混入して、部材の耐火性能を向上させる技術です。

※1 FPC:Fire Performance Concrete の略

※2 建築性能証明:新しく開発された建築技術の性能を第三者の立場から評価し、設定した認証基準を満たしていることについて性能認証書を発行する。または、その技術が達成している性能について性能証明書を発行する制度です。

■FPC工法の概要
設計基準強度が60N/mm²を超える高強度コンクリート部材では、火災加熱を受けると、部材表層部分のコンクリートが爆裂により剥落する可能性が高くなります。これまではモルタルや鋼板巻きなどの耐火被覆を施していましたが、部材断面の増加といったデメリットがありました。
FPC工法は、融点が比較的低いポリプロピレン樹脂粉末を高強度コンクリートに少量混入することによって火災時の爆裂を抑制し、部材の耐火性能を向上させる工法です。

■FPC工法の特徴
FPC工法では、融点が約165℃、密度が約0.9g/cm³のポリプロピレン樹脂粉末を使用しています。粉末状であることからフレッシュコンクリートの性状への影響も少なく、特に分散性に優れ、繊維のようなファイバーボール(繊維球)となることもありません。したがって、FPC工法用コンクリートは、通常の高強度コンクリートと同等の製造方法あるいは現場におけるアジテータ車による撹拌で容易に製造することができます。
被覆工法と違って部材断面の増加がなく、空間を有効に利用できるというメリットもあります。

■開発実験
FPC工法用コンクリートの圧縮強度や耐久性および爆裂性状などの基礎物性を把握した上で、実際の建物の柱を想定したモデル試験体を用いた載荷加熱試験を実施しました。
それらの結果、圧縮強度、ヤング係数、長さ変化および促進中性化試験において、ベースコンクリートと同等の性能を有していることが確認できました。
また、FPC工法用コンクリートを用いたRC造柱の耐火時間は180分以上となり、ベースコンクリートを用いた部材より確実に耐火性能が改善されています。

■特許及び今後の展開
本工法に関する特許は現在出願中です。
FPC工法は、「FPC工法設計・施工指針」に基づき、開発8社の責任において施工することとなっています。今後は、高強度コンクリートを用いる超高層RC造建築物の受注を目指し、本工法の普及展開を図って行きます。

載荷加熱試験後の試験体状況の比較

ベースコンクリート

ベースコンクリート

PFCコンクリート

PFCコンクリート