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泥土圧[全自動運転・シールド拡縮機構・機内防護注入]による急曲線トンネルの施工

2003年10月 UP

和歌山市発注の貴志都市下水路流入渠工事において、施工難易度の高いシールド工事を、当社の開発技術を駆使し、一次覆工を無事に完了することができました。

本工事は、急曲線および河川横断を含むシールド工事で、泥土圧シールド工法を採用、路線の途中ではトンネル断面拡縮の対応や、掘進機内部からの機内注入による橋台補強が重要な課題でしたが、錢高組が開発した自動方向制御を加えた完全自動運転システムの導入によって、シールドの掘進を予定期間内に安全に高精度に終えることができました。

坑内曲線部

坑内曲線部

自動運転画面

自動運転画面

機内注入

機内注入

概要

工事名 貴志都市下水路流入渠工事
発注者 和歌山市
工法 泥圧シールド工法  マシン外径 Φ3590mm
施工条件 掘進距離 913m 仕上がり内径Φ2600mm~3000mm
最小曲線半径 R=37m

特徴

■セグメント拡縮への対応技術
管径がΦ2600mmからΦ3000mmと変化するため、セグメントの寸法を変更する必要があります。そこで、シールド機後胴を二重管として内筒を着脱する方式と、これに伴い「二段差テールシール」や「可塑性裏込注入材の同時注入」を採用し、地上部への影響を防止しました。

■橋台防護(恒久グラウト注入)における機内注入技術
橋台の真下を掘削するため、橋台防護を目的とした地盤改良(恒久グラウト注入)が必要となりました。地上部からの注入作業は地下埋設物、交通事情等によって不可能であったため、シールド機先端のカッタ面盤から注入を行いました。

■残置杭の撤去技術
橋脚杭が地中に残り、掘進の障害となるため、自然環境条件を考慮して橋桁下にてΦ400mm、長さ7.3mの残置鋼管杭を撤去しました。まず障害となる鋼管杭周りをΦ2000mmのライナープレートで仮締め切りを行い、100Tの引き抜きジャッキを2基設置して鋼管杭を引き抜きました。

■泥土圧シールドの完全自動運転システム
自動運転システムは、ニューロファジーによる自動方向制御運転による、ジャッキ操作の自動化と、添加材注入を考慮した土圧制御、掘進速度調整、排土量調整等の一連の掘進を自動で行うことで、それぞれの土質に最適な条件でコントロールする全自動運転が可能になりました。

今後の展開

当社では、このLacross工法をZEM工法とともに、各種の立体交差のニーズに合わせて、経済的な提案を積極的に進めていく所存です。