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世界初の「外装兼用電波吸収フェライトタイル」を7社で共同開発

2002年05月 UP

当社は、奥村組、松村組、五洋建設、三井建設、大末建設、ニッコーと共同で、ソフトフェライトを原料とした電波吸収体および電波吸収壁に関する以下の3製品を共同開発・実用化しました。

1. 電波吸収パネル用 外装兼用施釉フェライトタイル
2. 電波吸収パネル用 フェライトタイルユニット
3. 電波暗室用 フェライトタイルパネル

中でも、1.の施釉フェライトタイルは、フェライトタイルに自由な色を施釉することで、壁面に直接使用出来る外装兼用の画期的な電波吸収タイルであり、世界に先駆けての開発です。

■外装兼用施釉フェライトタイル
建物外壁面でテレビ電波が反射することにより生じる二重写り等の「受像障害」対策として、外壁面自体に電波吸収性能を持たせる考え方があります。これまでは、外装仕上げ材の背後にフェライトタイルを設置する方法をとっていましたが、フェライトタイルの位置保持や仕上げ材の剥落防止のため複雑な納まりとなり、多大な労力・コストがかかりました。

今回開発した「外装兼用施釉フェライトタイル」は、タイル目地を確保しながら、裏に幅の狭いフェライト補助板を通すことで、吸収性能を確保できる仕組みになっています。この技術により仕上げ材を兼用でき、また、仕上げ材の背後にフェライトタイルを配置させるための煩雑な支持方法が不要となるので、従来工法に比べて10%~20%のコスト低減が見込めます。
電波吸収性能は、UHF帯域470~770MHzで、垂直入射および30°斜入射時に97%以上を確保します。

外装兼用施柚フェライトタイル構成例

外装兼用施柚フェライトタイル構成例

■フェライトタイルユニット
従来工法に工夫を加えた「フェライトタイルユニット」は、外装材となる一般磁器質タイルや大型陶器質タイル、石材などの背後に配置するフェライトタイルを連続ユニット化したものです。
 施工の効率化と、独自の材料調達と製造ラインを構築したことにより、価格を20%抑えることができるようになりました。

フェライトタイルユニット構成例

フェライトタイルユニット構成例

■ フェライトタイルパネル
「電波暗室用フェライトタイルパネル」は、電子・情報機器の試験を行う電波暗室を素早く構築することができます。1枚の大きさが約100mm四方のフェライトタイルをパネルと組み合わせて300mm×800mm程度の大きさにユニット化したことにより、従来に比べて施工手間を半減させることができます。

さらに、パネル間に生じる隙間による性能劣化対策として、パネル組立後、隙間に電波吸収シール材を充填することで、高い電波吸収性能を確保することができます。

■開発の経緯と今後の展開
これらの製品開発にあたっては、外壁材としての性能を確認するための曲げ試験、凍結融解試験、温冷繰り返し試験、接着試験などを行ないました。電波吸収性能の確認のためには、同軸管法や導波管法などの基礎実験と、実大レベルのプレキャスト部材を製作して、タイムドメイン法による性能測定も行っています。

製造・販売元のニッコー株式会社では、地上波デジタル放送も視野に入れた幅広い受注を目指し、5月末頃の販売開始を予定しています。

電波暗室用フェライトタイルパネルの施工例

電波暗室用フェライトタイルパネルの施工例